防災分野からみた火山

2月に入り、気温の差こそありますが各地でぐっと冬らしくなってきました。年末は1年を振り返る時期でもありますが、今年の災害で忘れてはいけないのは火山噴火です。
草津白根山の本白根山が噴火したのは今年の1月23日でもう1年近く経ってしまっています。日本は地震が多いだけでなく火山も多く、そのおかげで温泉を身近に楽しむことも出来ています。これから冬を迎えますが、レジャーやスポーツなどで火山やその周辺を訪れる機会もあるかと思います。

そこで今回から火山に関する防災をご紹介したいと思います。火山についての防災と言いましても多岐に渡りますので、火山やその周辺での備え(事前の情報収集)や身の守り方を中心にご紹介したいと思います。

まずは基本的な情報から。

日本には活火山が何個あるかご存知でしょうか?
気象庁によると現在111の火山が活火山として選定されています。さらに火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山として「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」が指定されています。(現在は50の火山)選定の条件やどの火山が選定されているかは下記のWebページをご覧ください。

活火山とは(気象庁:日本活火山総覧)

都道府県によって活火山の有無に偏りがありますが、レジャーや仕事で訪れる場所の火山についてもぜひ知って頂きたいと思います。
なお、過去に使われていた「休火山」「死火山」という言葉は現在使われていません。
日本ではたびたび噴火が起こっていますが、平成に入ってから現在までに大規模な噴火が発生しているのは直近の本白根山を含めると7か所があげられます。死者、負傷者が出ていなくとも住民の長期避難が発生するケースもあり、ぜひ火山噴火にも備えておいて頂きたいと思います。過去に発生した火山災害については下記のWebページに一覧で紹介されています。

過去に発生した火山災害(気象庁:過去に発生した火山災害)

日本における過去の火山一覧(世田谷区:日本における過去の噴火一覧)

備えるにあたって、火山噴火によってどのような災害が起きるかという事も知っておく必要があります。2014年の御嶽山の噴火では直後の映像が記録されていたため、ニュース等でご覧になられた方も多いかと思いますが、噴火では噴石以外の被害も発生します。

主な火山災害(気象庁:主な火山災害)

これらの直接的な被害の他、火山噴火が原因の津波も過去に発生しています。
近年は技術の進歩により、火山についても観測体制が整備されており、死者や負傷者を減らす効果も表れています。なかなかなじみのない用語も多いためとっつきにくいように思われますが、一度は目を通して頂く事をお勧めします。(個人的に分かりにくいと感じるのは、種別が3段階あり「特別警報」「警報」「予報」となっている点です。ここで言う「予報」は台風などの進路予報とは意味が異なり、火山の場合は最低のレベル1を指しています。)
丸ごと暗記する必要はありませんが、参考として下記のWebサイトもご覧ください。

気象庁が発表する火山に関する情報や資料の解説(気象庁:気象庁が発表する火山に関する情報や資料の解説)

火山の状況や噴火・降灰等の情報を得る事ができます。

噴火警戒レベルの説明(気象庁:噴火警戒レベルの説明)

ニュース等で紹介される「噴火警戒レベルを2に引き上げました」といった情報が出た際にぜひ参照してください。特に説明欄に書かれている、取るべき行動・対応は重要です。

噴火警報・予報の説明(気象庁:噴火警報・予報の説明)

噴火警戒レベルが運用されていない火山もあるため、こちらも必要に応じてチェックする場合があります。
ここで強調したいのは「警戒レベル1」であっても「100%安全という訳ではない」という事です。戦後最悪の火山災害と言われる2014年の御嶽山の噴火は警戒レベル1の状態で発生しています。警戒レベル1であっても火山活動は継続しており、異変が起きてもおかしくない(噴火等の恐れがある)と認識する必要があります。

火山防災のスタート

  1. 今いる場所(家や会社・学校等)、これから出かける場所(出張先・旅行先等)の情報を知る(火山の有無、ハザードマップ等)
  2. 噴火や避難の速報を入手できる手段を持つ(ラジオ、携帯電話等)
    ※防災情報のメール配信サービスへの登録も有効です。
    ※山岳部などでは携帯電話が圏外となる場合もあるため、複数の手段を準備。
  3. 防災グッズの準備(持ち歩き用と、避難時の持出品の2系統がお勧めです。)
    この①~③は他の災害への備えとあまり違いはありません。火山だからといって難しく考える必要はありません。(火山独特の注意点や備えのポイントについては次回ご紹介します)

次回は今回に続いて火山噴火が発生した際にどうすべきか、どうやって身を守るかについてご紹介したいと思います。

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