10月に日本に上陸しました台風19号ですが、全国各地に甚大な被害をもたらし、1ヶ月以上過ぎた今も復旧の目途がたっていない地域があるという厳しい現実に驚くばかりです。そして今まさに被災地で復旧活動に従事されている方も多いと聞きます。

一方で被災経験のない方は浸水後の復旧作業での注意点について「なんとなく分かっている」「テレビで見たのでたぶんできるはず」といった方も多いのではないのでしょうか。

今回は浸水による被害からの復旧作業での注意点や復旧のための備えをテーマしたいと思います。

住宅などの建物の復旧

浸水による被害と言いますと、床下・床上浸水、農地の被害、車の水没などなど多岐に渡りますが、ここでは住宅等の建物を復旧する(片付ける)際の注意点をご紹介します。

作業にあたっての基本となるのが「安全」と「衛生」です。

浸水した地域では、

  • 様々なものが流されてきている。(建物等が破壊されている場合もある)
  • 家財道具、電化製品などが水に浸かっている。
  • 雨水だけでなく、泥水や汚水により細菌やウィルスが付着している可能性がある。
    (乾燥すると空気中に舞い上がります)

といった状況が想定されます。

少し掘り下げまして、

感染症:破傷風など命にかかわる事もある

  • 肌や粘膜を極力露出させない。(長袖の服、マスク、ゴーグル等)
  • 作業時のケガを予防する。(手袋は軍手ではなく厚手のゴム手袋等を使う、足元は安全靴や踏み抜き防止ソールを選ぶ等)

電気:電化製品や電線等からの漏電や通電火災、感電の可能性がある

  • ブレーカーを落とす。
  • 濡れた手で触らない。
  • 怪しい場合は通電していると想定する。
    ※電柱や電線等の被害の場合は必ず電力会社に連絡し、関係者以外は触れない。

といった点に注意してください。

作業にあたっての注意点

  • 作業者の熱中症や疲労対策として水分補給、栄養補給、定期的な休息を行う。
  • ちょっとしたケガ(小さな切り傷や刺し傷等)でも感染症の恐れがあるため、飲み水とは別にきれいな水、きれいなタオル、消毒薬、絆創膏や保護パッドなどを用意する。
  • 汚れた衣類を着替えた場合は可能な限りビニール袋などに入れて他の荷物とは分ける。(できればバスや車に乗る前に着替える)
    ※耐久性に課題がありますが、使い捨ての雨ガッパも有効とのことです。

といった事にもぜひ配慮してください。

自治体単位で浸水後の消毒について

薬剤配布の有無、道具の貸出しの有無、作業員手配の有無など、自治体ごとに差がありますが、消毒が必須ではない(法律等で義務付けられているわけではない)ものの、連絡があった場合は極力消毒を行ってください。消毒作業(薬剤散布)は洗浄作業後という前提条件を付けているケースが多いため、復旧時の段取りにも注意が必要です。

最後になりますが、上記でご紹介しました対策に必要な備品類は災害後に品不足となります。「浸水しない」ための備えも重要ですが、「浸水から復旧する」ための備えもこれからは重要だと10月の台風被害から感じています。海や川、池や用水路等が近い、周囲より土地が低いといった地域の方は、浸水した後への復旧の備えをぜひご検討ください。