現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に猛威を振るっています。地震や津波、台風や大雪とは異なるタイプの災いで、まだまだ手探りの部分もあるように思います。
防災の観点から感染症を考えますと、決して単独で発生するものではありません。災害と感染症は近い関係にあり、災害への備えの一つとして感染症への備えも忘れてはいけません。例えば今まさに不足している物資は災害時に不足する物資と重なる部分もあります。(今は全国、全世界で物資が不足する時期ですので、可能な限り備蓄や買い置きのある方は、手元にあるものを消費するよう心がけてください)

今回は防災の観点からの感染症対策を取り上げますが、感染症に注意が必要な場面は主に①『避難所生活』と②『被災地での活動』となります。

感染症が発生するパターン

『災害発生』→『インフラのストップ・物資不足』→『衛生環境の悪化』→『感染症の発生』

というものが想定されています。

これはあくまでシンプルに表現したもので、実際には、「人の免疫力」「温度や湿度」「季節や天候」「地域の特性」といった様々な条件が重なって発生するもので、私の解釈としましては『感染症の発生を防ぐ取り組み』と『発生後に広めない取り組み』の両方が必要と考えています。

避難所生活の感染症対策

住宅や避難所のインフラがストップし、

  • 手が洗えない
  • 入浴できない
  • 生活用品が清潔ではない
  • トイレが流せない、掃除できない
  • 空調、冷暖房が不十分

などのといった状況になり、体調の悪い方、年齢的・体質的に弱い方が感染症になる可能性が高まります。また飲食を通じて感染する可能性もあるため、健康だから100%安心というわけでもありません。

避難所では建物内の衛生面だけでなく、発生するゴミの管理、上下水道の復旧に時間の掛かるトイレの処理、入浴や洗濯など様々な対応が必要です。

そしてトイレ問題は上下水道の復旧が必要なため長期化する可能性があります。短期的にはレジャー用やアウトドア用の簡易トイレで数日過ごすことも可能かもしれませんが、数週間を超えるような場合は、簡易トイレそのものが消耗品(薬剤)のため数が不足する、発生するゴミが腐敗すると感染症の発生源になる、といった課題があります。

やはり防災用の簡易トイレを人数に合わせて備蓄する必要があります。できれば防災用として自治体に納入されている品質(雑菌の繁殖を抑える成分が入っている、使用期限が明記されている等)の商品をお勧めします。
感染症に限った内容ではありませんが、参考となる情報です。

参考サイト:(厚生労働省:被災地での健康を守るために)

感染症のときの被災地での活動

復旧作業等での注意点として

・ケガをしないように、丈夫な手袋、安全靴、長そでの服などで体を保護する。
・粘膜からの感染を防ぐため、マスクやゴーグルを着用する。

などの対策が必要です。

詳しい情報は下記のWebページも参考にしてください。
参考サイト(感染症情報センター:がれき撤去作業等の際の感染予防について)

まとめ

災害発生後に健康と安全をいかに守るかという点が重要です。災害から助かった命を失わないために、被災した方も、被災地を支援する方も衛生面に留意して頂きたいと思います。そのためには被災後に必要となる物資が水や食料、毛布だけではないということもご理解頂けるかと思います。

感染症について、入門的な内容でご紹介しましたが、今は目の前の新型コロナウイルスへの対応が最優先です。不要不急の外出を控え、人から人への感染を防ぐことに皆様ご協力ください。そして、落ち着いたタイミングで各家庭や企業、団体での備蓄を少しずつ補充することをお勧めします。