電車で災害に遭ったらどうする?車外に避難する方法を確認しよう

仕事の関係で鉄道を利用することが多いのですが、航空機に比べると非常時の対応について告知されている情報が少ないように思っていました。実際、鉄道関連の避難訓練や防災訓練はあまり一般的ではありません。職員向けに行われている防災訓練はテレビや新聞で伝えられていますが、乗客側はどうなのだろう?と昔から気になっていました。

今回は結論から入りますが、一般の人も参加できる鉄道の防災訓練や避難訓練は存在します。鉄道会社が車両基地等で行うほか、一部では営業路線で非常停止や高台非難を含めた「防災訓練の旅行商品」として一般向けに販売している事もあります。(詳しくは後半でご紹介します)

鉄道関係の災害や事故について、過去の事例を調べていますと、避難に成功して助かったケース、避難が遅れて(あるいは避難しなかったために)被害が大きくなったケース、(災害に限ったことではありませんが)車両から避難したものの避難した場所が悪く(対向列車による事故を含め)二次被害が起きたケースなど様々なものがあります。乗客目線での防災についてのアドバイスですが、次のようなものがあります。

基本編

  • 非常停止が掛かる場合があるので、車内アナウンスがあった場合は、座っている場合は姿勢を低くする、立っている場合はつり革や手すりにつかまる。
  • 乗務員の指示に従う。
  • むやみに車外に出ない。
    ※非常停止は自動的に動作するものばかりではありません。安全な場所まで乗務員の判断で車両を走らせるというルールもあるため、緊急地震速報が流れた場合でも慌ててはいけません。まずはその場で身を守ること行動をとってください。

応用(さらに緊急時を想定)

  • 車内に留まることが危険な場合は、非常コック等を操作してドアを開け外に出る。(地下鉄の場合は側面のドアを開けても避難スペースがない場合がありますが、その場合は先頭または最後尾の正面ドアが非常ドアとなります)
  • ドアが開かない場合は窓を開ける、窓を割るといった場合も想定しなければなりません。
  • 車内アナウンスや誘導がない場合もあります。(北海道のケース等)
  • 車外に出た場合は、対向列車の危険があるため、線路の上には留まらない&線路に敷かれたバラスト(砂利)のエリアも危険エリアと考え留まらない。
  • 車外に出た後の避難は原則近くの安全な場所で待機となりますが、地震の場合は地面(足元)が丈夫な場所へ、津波接近の場合は高い場所へ、台風や豪雨の場合は高い場所かつ水辺から離れた場所へ、といった避難行動が必要になります。

※車外に出る際の注意点として、鉄道車両の床面はバスなどに比べてとても高いということです。(状況によりますが、下に立つと胸から首の位置くらいが鉄道車両の床面とお考えください)

さらに着地する場所が平らでなかったり、不安定な場合が大半です。慣れていない人が普通に飛び降りるとケガをする恐れもあります。一部の車両には避難用のはしごやステップが備え付けられていますが、全てのドアの分が用意されているわけではありません。シートの座面をスロープにする会社もありますがすべての車両が対応しているとは限りません。

一例として、JR西日本などが推奨する手順としては
「ドアを開ける」→「開いたドアにいったん腰掛ける」→「可能な限り緩やかに着地する」→「素早く車両から離れる(次の方が避難する)」
となっています。手順は確立されていますが、残念ながら練習する機会が限られています。

鉄道関連の防災訓練や避難訓練はまだまだ一般的ではありませんが、防災関係に興味があり、鉄道をよく利用する方は検討してみてはいかがでしょうか。開催地(路線)が和歌山中心となりますが下記の企画(旅行商品)がお勧めです。

参考(鉄道防災教育・地域学習列車「鉄學」)

※私も過去に参加しまして、実体験の大切さを思い知りました。鉄道に限らず、普段の生活の中で「あれ?この分野の防災ってどうなっているんだろう?」という好奇心を持っていただけましたら幸いです。

初めて防災用品を購入する法人様へ

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