家庭の火災の原因や対策方法とは?準備しておくべき火災対策グッズを防災士が解説!

家庭の火災の原因や火災が起きやすい時期とは?

家庭の火災の原因や、火災が起きやすい時期をまずは解説します。

住宅火災の原因第1位は「たばこ」!ストーブやコードによる出火も

東京消防庁発表の「平成30年から令和4年までの死者が発生した住宅火災の出火原因内訳」によると、死者が発生した住宅火災の原因は以下の通りとなっています。
1位:たばこ 29.1%
2位:ストーブ 12.5%
3位:放火 7.8%
4位:こんろ 5.3%
5位:コード 3.3%

参照:「STOP!住宅火災 主な出火原因」東京消防庁

出火原因としてもっとも多かったのが「たばこ」です。睡眠時や飲酒時うたた寝しながら喫煙する、いわゆる「寝たばこ」による出火や、火が消えていなかった灰皿の吸い殻から出火するケースが多くなっています。 ストーブの中でも、特に電気ストーブによる出火が多くなっています。ストーブの周辺にあるものに引火したり、外出時や就寝時にストーブを消し忘れたりといったことで出火してしまいます。 残念ながら、第三者による放火が原因での住宅火災も多数発生しています。 こんろによる出火は、調理中に衣服や周辺のものに火が燃え移る、調理中にこんろから離れてしまい調理物が高温になる、といったことが出火に繋がります。 身近にあるものの中でも、特に知らない間に火災を引き起こしてしまうのが「コード(配線機器)」です。コンセントとプラグの間のほこりや静電気により出火、折れ曲がったコードから火花が出て、周辺のものに引火など、さまざまな原因でコードによる火災が発生します。

毎年「12月〜翌年3月」に火災が多発!

東京消防庁発表の「月別の住宅火災による死者の発生状況(平成30年から令和4年まで)」によると、毎年12月~翌年3月にかけて、死者をともなう住宅火災の発生件数が特に多くなっています。寒い季節は暖房器具を使用する機会が増えること、さらに空気が乾燥しているため火災が発生しやすくなることから、冬季は特に火災に気を付ける必要があります。

今日からできる!家庭でやっておくべき火災対策

住宅火災は身の回りのものから出火するケースが多く、対策をしておくことで防げる場合がほとんどです。今日からできる、家庭で火災を防ぐための対策方法を以下にまとめました。

火災防止のための対策方法

住宅火災の原因別に、火災防止のための対策方法を以下にまとめました。

火災の原因

対策方法

たばこ

・寝たばこは絶対にしない

・吸い殻を灰皿にためない

・水で完全に火を消してから吸い殻を捨てる

・たばこの火種を落とさないように安全な場所で喫煙する

ストーブ

・ストーブの周辺に燃えやすいもの(寝具、カーテン、雑誌など)を置かない

・ストーブの近くで洗濯物を乾かさない

・外出時や就寝時は必ず電源を切る

・灯油ストーブは完全に消えたのを確認してから給油する

・使用前に軽く点検をする(ほこりがたまっていないか、安全装置は起動するか、など)

放火

・自宅周辺を整理整頓する(段ボールやゴミなどの可燃物を置かない)

・車庫や物置に鍵をかける

・車やバイク、自転車などのカバーは防災製品にする

・自動点灯センサー付きの外灯や監視カメラを設置する

こんろ

・調理中はこんろから離れない

・外出時は元栓を閉める

・周囲に燃えやすいものを置かない

・防炎品のエプロンやアームカバーを使用する

・火が鍋底からはみ出さないように火力を調節する

・安全機能(Siセンサー)付きこんろを使用する

・定期的に清掃を行う

・ガス警報器を付ける

コード

・使用していないプラグは抜いておく

・プラグやコンセントは定期的に掃除する

・コードの家具などの下敷きや折れ曲がりに注意する

・タップは決められた容量内で使用する

・コードを束ねて使用しない

その他

・就寝時や外出時は火の元を確認する

・風が強い日や空気が乾燥している日に火を使う作業(焚き火、花火など)をしない

・火器(マッチやライター、チャッカマンなど)は子どもの手の届かないところに置く

・火器を日差しの強いところに放置しない

火災発生時への対策方法

火災が発生しないように防止策を行っていても、隣家からももらい火などで火災が発生してしまうこともあります。火災の防止対策だけでなく、万が一火災が発生してしまったときには、被害を最小限に食い止めることが重要です。 火災発生時の備えのために、以下の対策を行っておきましょう。 ・防火・消火設備の設置、点検をする ・出火時の避難方法を確認しておく ・火災保険に加入しておく ・寝具や衣類を防炎製品にしておく ・高齢者の方や体の不自由な方など、避難誘導に時間がかかる家族の部屋は1階にする ・隣近所と協力体制を作っておく

家庭で準備しておきたい火災対策グッズ

家庭で準備しておきたい、火災対策グッズは以下の通りです。

  • ・住宅用火災警報器

    ・安全装置付き調理器具

    ・感電ブレーカー

    ・防炎品

    ・住宅用消火器

    ・簡易自動消火装置

    ・住宅用スプリンクラー設備

  •  

住宅用火災警報器

住宅用火災警報器は、煙や熱を検知するとブザーによる警報や音声で火災の発生を知らせる装置です。消防法や自治体の火災予防条例により、一般住宅にも住宅用火災警報器等の設置が義務付けられています。 住宅用火災警報器にはさまざまな種類があります。また、住宅用火災警報器本体と併用して使用する、付加機能付きのものもあります。以下におもな住宅用火災警報器をまとめましたので、設置場所に応じたものを選びましょう。

住宅用火災警報器の種類

特徴

住宅用火災警報器

煙または熱を検知して警報や音声で知らせる

天井や壁に設置する

連動型住宅用火災警報器

警報器同士が連動している火災警報器

火元の火災警報器が作動すると、別の部屋の住警器も鳴動する

火災・ガス・CO警報器

煙や熱だけでなく、都市ガスや一酸化炭素(CO)も感知する警報器

屋外警報装置

インターホンなどを通じて屋外にも火災の発生を知らせる機器

補助警報装置

火災の発生を警報音だけでなく、光や振動でも知らせる機器

住宅用火災警報器は、設置後定期的に点検を行いましょう。火災が発生しても、警報器が作動しなければ火災への効果は発揮できません。万が一の際に迅速な避難が行えるように、日頃からの点検が重要です。

安全装置付き調理器具

異常な過熱や火が消えた際に、自動的にガスの供給を止める安全装置の付いたコンロなどです。

感電ブレーカー

地震の揺れを感知すると、自動的に電気の供給を遮断するブレーカーです。電気ストーブなどの地震による転倒での火災を防げます。

防炎品

火がついても燃え広がりにくい素材でできたアイテムです。カーテン、カーペット、寝具、エプロン、自転車やバイク、車のカバーなどがあります。

火災が発生する前の初期段階で活躍!「防炎タオル119」はこちら

住宅用消火器

火元に向かって発射すると消火剤によって消火できるアイテムです。住宅用に小型で軽量タイプのものも多く発売されています。初期消火に有効なアイテムのため、普段から使い方をしっかりチェックしておきましょう。

簡易自動消火装置

火災の熱を感知すると、自動的に薬剤を放出する装置です。

住宅用スプリンクラー設備

火災の熱を感知すると、部屋全体に放水する装置です。

家庭の火災対策は、発生防止と発生時両方に備えよう

家庭での火災の原因や火災が起きやすい時期とともに、家庭での火災対策方法や火災対策グッズを紹介しました。火災は発生を防止するための対策と、発生時に被害を最小限にするための対策両方を行うことが重要です。日常生活の中でできる対策もたくさんあるため、ぜひ今日からはじめてみましょう。

初めて防災用品を購入する法人様へ

この記事が気に入ったらいいね!しよう

SNSでフォローしよう

関連記事