梅雨入り・梅雨明けはいつ?豪雨災害の事例や梅雨時期にやるべき防災対策を解説

豪雨災害の事例や梅雨時期にやるべき防災対策を解説

日本は、毎年5月〜6月ごろ順に梅雨入りをしていきます。雨量が多くなる梅雨の時期だからこそ、豪雨や土砂災害などの災害にも注意が必要です。けれども、梅雨入りや梅雨明けの時期は毎年ずれがあり「平年の梅雨入り・梅雨明けはいつ?」という疑問を持つ方も多いかもしれません。
本記事では、日本全国の梅雨入り・梅雨明けの時期の傾向や豪雨災害の事例、梅雨時期にやるべき防災対策について解説します。
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梅雨の基本知識

気象庁の公式サイトを元に、梅雨の基本知識を順に解説します。

梅雨とは

梅雨とは、春から夏に移行する過程で発生する、前後の時期と比較し雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象のことです。梅雨の入り明けには、平均5日間程度の「移り変わり」の期間があります。

梅雨が発生する理由

梅雨は、季節が夏に向かう途中に発生します。夏が近づくと南から暖かく湿った空気を持つ太平洋高気圧が張り出し、北にある冷たい空気を持つオホーツク海高気圧と日本周辺でぶつかるのが特徴です。ふたつの高気圧がぶつかることで梅雨前線が発生します。梅雨前線は夏に近づくにつれて北へ押し上げられ、日本を抜けると梅雨明けになります。

梅雨前線は多くの雨を降らせるため、梅雨の時期ならではの災害対策も必須です。

梅雨入り・梅雨明けの確定方法

気象庁では、毎年気象予測に基づいた梅雨入り・梅雨明けの速報を発表しています。速報は随時気象庁の公式サイトに記載され、速報が発表されると更新されます。
梅雨入り・梅雨明けの速報とは別に、以下の要素を踏まえ、総合的に検討・確定した梅雨入り・梅雨明けの時期を統計値として気象庁の公式サイトに記載しています。
・梅雨の時期が過ぎてから、春から夏にかけての実際の天候経過
・移り変わりの期間の概ね中日

日本全国の梅雨入り・梅雨明けの傾向

日本全国の平年の梅雨入り・梅雨明けの傾向を地域別に以下にまとめました。現在の梅雨入り・梅雨明け情報は、気象庁公式サイトにて随時更新されています。

地方 梅雨入り 梅雨明け
沖縄 5月10日頃 6月21日頃
奄美 5月12日頃 6月22日頃
九州南部 5月30日頃 7月16日頃
九州北部 6月4日頃 7月17日頃
四国 6月5日頃 7月17日頃
中国 6月6日頃 7月21日頃
近畿 6月6日頃 7月18日頃
東海 6月6日頃 7月18日頃
関東甲信 6月7日頃 7月18日頃
北陸 6月11日頃 7月31日頃
東北南部 6月12日頃 8月1日頃
東北北部 6月15日頃 8月2日頃

梅雨の時期に発生した近年の災害事例

梅雨の時期に発生した近年の災害事例について解説します。

日本各地で梅雨前線による大雨による災害が発生

梅雨の時期、発達した梅雨前線が降らす大雨が、日本全国で甚大な災害を招くこともあります。近年の梅雨の時期に発生した災害の事例を以下にまとめました。

発生年月 地域・事例 おもな被害
2010年(平成22年)7月10日~7月16日

西日本から東日本にかけて

梅雨前線による大雨

死者17名、行方不明者5名、負傷者21名

住家全壊43棟、半壊91棟、一部損壊219棟

床上浸水1,844棟、床下浸水6,086棟など

2014年(平成26年)7月6日~7月11日

沖縄地方、九州南部・奄美地方

台風第8号および梅雨前線による大雨と暴風

死者3名、負傷者66名

住家全壊7棟、半壊7棟、一部損壊108棟

床上浸水330棟、床下浸水1,037棟など

2015年(平成27年)6月2日~7月26日

九州南部、奄美地方を中心に全国各地

梅雨前線および台風第9号、第11号、第12号による大雨

土砂災害、浸水害、河川の氾濫等が発生

死者計2名の人的被害、住家被害、ライフライン、公共施設、農地等への被害および交通障害

2016年(平成28年)6月19日~6月30日

西日本を中心とした

梅雨前線による大雨

死者7名、負傷者12名

住家全壊37棟、半壊165棟、一部損壊189棟

床上浸水520棟、床下浸水2,015棟など

2017年(平成29年)6 月30 日~7 月10 日

西日本、東日本を中心に

梅雨前線および台風第3号による大雨と暴風

死者39名、行方不明者4名、負傷者35名

住家全壊309棟、半壊1,103棟、一部破損94棟

床上浸水202棟、床下浸水1,706棟など

2023年(令和5年)6月1日~6月3日

西日本から東日本の太平洋側を中心に

梅雨前線及び台風第2号による大雨

北日本では東北日本海側を中心に、土砂災害や河川の増水や氾濫、低地の浸水による被害が発生

発達した積乱雲により、突風の被害が発生した地点もあり

2023年(令和5年)6月28日~7月16日

日本全国各地

梅雨前線による大雨

各地で線状降水帯や記録的な大雨

北日本から西日本の所々で、発達した積乱雲による突風の被害

2024年(令和6年)7月23日~7月26日

北日本を中心に

梅雨前線と低気圧による大雨

断続的に雷雨を伴った非常に激しい雨や局地的に猛烈な雨

複数の地点で24時間降水量が観測史上1位の値を更新

北日本では東北日本海側を中心に、土砂災害や河川の増水や氾濫、低地の浸水による被害が発生

参考:気象庁

梅雨明け後も大規模災害が発生する可能性も

雨による災害は、梅雨明け後にも注意が必要です。たとえば西日本から東日本、東北地方の広い範囲で大雨となり、九州地方では記録的な大雨となり球磨川など大河川での氾濫が相次いだ「令和2年7月豪雨」は、梅雨明け後の2020年7月3日~7月31日に発生しています。

場合によっては梅雨前線と台風が重なり、豪雨や突風による災害が発生することもあります。梅雨の時期はもちろん、雨が災害を引き起こす可能性を踏まえて、日頃から備えをしておくことが重要です。

梅雨の時期をはじめ豪雨災害への備えとしてやっておくべきこと

梅雨の時期をはじめ豪雨災害への備えとしてやっておくべきこと
雨量の増える梅雨の時期に備えて、大雨や豪雨への災害対策をしておきましょう。梅雨をきっかけに日頃の防災対策を見直すのもおすすめです。豪雨災害の備えとしてやっておきたいことを、順に解説します。

水害を最小限に抑える対策をしておく

豪雨は河川の氾濫やがけ崩れ・地すべり・土石流などの土砂災害、家屋の浸水などの水害の原因となります。水害を最小限に抑えるために、以下の対策を行っておきましょう。

  • 家屋や周辺の老朽箇所を修理しておく
  • 雨どい・側溝・排水溝を清掃して排水できるようにしておく
  • 土のうを準備しておく
  • 窓閉めを徹底する

避難生活に備えておく

自宅付近に大雨や豪雨によって危険が迫っている場合、安全な場所への避難が必要です。また、豪雨災害後ライフラインが寸断された状態でしばらく自宅で過ごすことになるかもしれません。以下の備えを日頃から行っておきましょう。

  • 食品や日用品を備蓄しておく
  • 避難用の持ち出し品をリュックにまとめておく
  • 避難路や避難場所を調べておく
  • ハザードマップなどで、地域の災害リスクを把握しておく
  • 近所と連携を取っておく

ライフラインが寸断されると、電気やガス、水道、電話が使えなくなり、物流も止まる可能性が高いです。特に飲み水が手に入らない、トイレが使用できないとなると、避難生活の健康や命にも関わります。豪雨だけでなくほかの災害での避難もふまえて、最低3日間、できれば1週間分の水や食料、災害用トイレを備蓄しておくことをおすすめします。

非常用持ち出し袋の中身については、以下の記事で詳しく解説しています。
防災グッズに絶対必要なものを自宅避難・持ち出し避難に分けて解説

まとめ

梅雨の基本知識や梅雨入り・梅雨明けの時期、豪雨災害の事例や梅雨の時期の災害対策について解説しました。近年梅雨の時期だけでなく豪雨災害も甚大化しています。日頃からしっかり備えをしておきましょう。

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