台風が来る前にやっておくべき家庭での台風対策や備えとは?用意すべき台風対策グッズを防災士が解説

台風によって起きる可能性のある災害とは

台風発生時は強風をはじめ、大雨、洪水、暴風、高波、高潮など複合的な災害が起きる可能性があります。台風によって被害がもたらされる可能性のある災害について解説します。

強風による被害

台風は強風、時に暴風をもたらします。気象庁の「台風への備え」を参考に、強い風による影響や被害について以下にまとめました。

平均風速

出る影響

15~20m/s

風に向かって歩けなくなる

転倒する人も出る

高所での行動がきわめて危険になる

風に煽られたドアや扉に手を挟む

トタン屋根や看板が外れはじめる

20~25m/s

何かにつかまっていないと立っていられない

飛来物によって負傷する恐れがある

根の張っていない木が倒れはじめる

看板が落下、飛散する

25m/s以上

屋外の行動がきわめて危険になる

多くの街路樹が倒れはじめる

電柱や街灯、ブロック塀、車が倒れることがある

参照:「台風への備え」宮古島地方気象台

大雨・洪水による被害

台風が接近すると大気の状態が不安定になり、大雨をもたらします。台風による大雨は、以下のような被害をもたらします。

  • 都市部の道路や住宅の浸水

    道路のアンダーパス等の地下空間の水没

    川や田んぼの増水

    住宅被害

特に近年の台風は、短時間に狭い範囲で非常に激しく降る雨が頻発する傾向にあります。局地的かつ短時間での大雨は、大規模な浸水被害のほか土砂災害も引き起こします。 たとえば令和4年9月に発生した台風14号は、九州を中心に西日本で記録的な大雨や暴風となり、特に大雨特別警報が発表された宮崎県では三股町で土砂崩れによる被害が発生したほか、宮崎県等で29河川が氾濫、浸水被害も発生しました。 台風14号によって宮崎県をはじめとする九州地方を中心に、人的被害(死者5名、重傷者20名等)・住家被害(全壊17棟、半壊248棟、床上・床下浸水1,310棟等)、ライフラインや交通インフラ等への被害を合わせ、甚大な被害が発生しました。

高波・高潮による被害

台風の中心付近は、高波や高潮が発生します。特に高波は釣りやサーフィンをしている人や海岸付近の人をさらってしまったり、海岸沿いの道路を落橋させたりといった被害をもたらします。

家庭で行うべき台風への対策

台風はほかの災害と比較すると、ある程度発生する日時や被害の程度を予測できるのが特徴です。自宅の近くを台風が通過、または上陸する恐れがあっても、備えを行う時間はあります。また、常日頃から台風が発生したときに慌てないように、できる限りの備えをしておくのもおすすめです。 台風が来る前や接近時にやっておくべき、家庭での備えや台風対策を解説します。

台風が来る前にやっておくべき備え

台風が来る前に、家の外や中での備えや避難経路についての確認をしておきましょう。

備えの種類

やるべき備え

家の外

・窓や玄関、勝手口はしっかりと鍵をかける

・窓やドア、雨戸、ベランダの柵、屋根などを必要に応じて補強する

・側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておく

・風で飛ばされそうな物(物干し竿、植木など)は飛ばないように固定する、または屋内へ格納する

・低地や川沿いの住居は土のうを活用する

家の中

・窓ガラスに飛散防止フィルムやテープを貼る

・雨戸やシャッター、カーテンやブラインドを下しておく

・生活用水を確保する(湯船に水を貯めておくなど)

・防災用品、非常用食料と水を用意しておく

・非常用持ち出し袋を用意しておく

・停電対策をしておく(スマートフォンやモバイルバッテリーの充電、冷凍庫で保冷剤を凍らせるなど)

確認事項

・避難場所への道筋を確認しておく

・家族で避難場所や連絡方法を話し合っておく

・ハザードマップで危険な場所を確認しておく

・キキクル(※)や警報、土砂災害警戒情報で、台風や大雨の最新情報を入手する

※キキクル(大雨警報・洪水警報の危険度分布))とは、気象庁で発表している土砂災害、浸水害、洪水災害発生の危険度の高まりを地図上で5段階に色分けして表示したものです。常時10分毎に更新しており、大雨・洪水警報や記録的短時間大雨情報等が発表されたとき、台風による雨が強まってきたときなどに、災害の危険度がどこでどのように高まっているのかを把握するのに役立ちます。また、キキクルに所定の地域を登録し、登録した地域が「危険な場所からの避難が必要(警戒レベル4相当)」となると、スマートフォン等へプッシュ通知が送られるサービスも提供されています。

台風接近中にやるべき行動

台風接近中にするべき行動を以下にまとめました。 ・不要な外出は控える ・危険な場所(河川、海、山など)へは近づかない ・危険を感じたり、市町村からの避難指示を受けたりした場合はすみやかに避難する ・避難の際には火の元を確認する ・避難の際には両手を使えるようにする 台風が接近すると強風や大雨などの気象災害が発生します。強風によって飛ばされてきたものにぶつかったり、車や看板が転倒してきたりといった可能性も高いです。また、ふだんは安全と思っていた場所も大雨によって増水し、道路が通れなくなったり、山崩れや崖崩れが起きたりします。 不要な外出は避け、危険な場所へは近づかないようにしましょう。特に海上や海岸付近では台風接近前から波が高くなりますが、台風が通過した後もしばらく波の高い状態が続きます。 台風接近時や通過後しばらくたってからも、海上や海岸付近に高波を見に行くなどの行動は厳禁です。 台風接近時、自宅のある場所で甚大な災害が発生する恐れがある場合もあります。気象情報や土砂災害警戒情報から危険と判断した場合、または市町村から避難指示が出た場合は所定の避難所まで避難しましょう。なお高齢者の方や小さい子ども、体の不自由な方のいる家庭は「警戒レベル3高齢者等避難」の情報が出た時点での、早めの避難行動をおすすめします。 自宅を離れ避難所へ向かう際には、戸締りはもちろん火の元を確認しておきましょう。特に台風発生時の避難は悪天候の中での移動を余儀なくされます。非常用持ち出し袋に最小限の荷物をまとめ、背中に背負うなどして両手が使える状態で避難するようにしましょう。

家庭でのおすすめ台風対策グッズ

https://pixta.jp/photo/55161165

家庭で台風対策のためにそろえておきたい、おすすめの台風対策グッズが以下の通りです。

台風は日ごろの備えと早めの避難を心がけておこう

台風で想定される被害や台風が来る前、接近中にやるべき備えや対策、おすすめの防災グッズを紹介しました。台風は他の災害よりも到達までに時間があり、ある程度被害の予測ができます。だからこそ「きっと大丈夫だろう」と過信はせず、日ごろからの備えや早めの避難を心がけるのが重要です。近年甚大化する台風の備えをしておきましょう。

初めて防災用品を購入する法人様へ

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