地震が原因で停電してしまうと、日常生活に支障が出ます。いつ起きるか分からない地震による停電に備えて、日頃から万全の備えをしておきましょう。本記事では、地震が停電を引き起こす理由や原因に加えて、日頃からやっておくべき備えを解説します。停電からの復旧時に気をつけたい通電火災への対策についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
地震によって停電が起きる原因
地震が発生した場合、揺れが大きかったところが停電してしまうだけでなく、震源地から離れた比較的揺れの小さな場所も停電してしまうことがあります。地震によって停電するおもな原因を解説します。
物理的な送電設備の損傷
一般家庭や企業などで使用する電気は、発電所で発電され、電柱や電線、ケーブルなどを通じて供給されています。これらの送電設備が地震による建物の崩落や地面の液状化により損傷し、正常に機能しなくなったときには電気の供給がストップしてしまい、停電が発生します。
発電所の緊急停止
原子力発電所や火力発電所などの発電設備は、地震による大きな揺れを感知すると安全装置が働き、緊急停止する仕組みとなっています。地震によって発電所の設備に損傷が起きると、数ヶ月から1年程度復旧に時間がかかってしまうリスクがあるためです。
発電所が緊急停止をすると、電力の供給がストップするため停電が発生します。発電所の安全確認が取れ稼働が再開されると、停電は解消されます。
ただし大規模な地震により複数の発電所が緊急停止を行った場合、震源地から離れた場所にも停電が発生する場合があります。電気はつねに需要と供給のバランスを取りながら発電と供給の調整を行っていますが、複数の発電所が同時に止まると、供給量は一時的に大きく落ちてしまいます。電力の需要に供給が追いつかなくなるため、一時的に需要を強制的に遮断する「周波数低下リレー(UFR)」というシステムが作動し、大規模な停電の発生を防止します。
2021年2月13日に福島沖を震源とする東北の一部エリアで震度6強を観測した地震では、周波数低下リレーの作動により、東北エリアから離れた東京エリアでも停電が発生しました。
地震による物理的なダメージだけでなく、発電所の緊急停止により震源地から離れたエリアでも停電が起きる可能性は十分あります。そのため、日頃から地震発生時は停電が起きるもの、と認識し停電への備えを行っておくことが重要です。
地震への停電対策として日頃から行っておくべき備え
内閣府が実施した「防災に関する世論調査(令和7年8月調査)」によると、「大地震に備えて、どのような対策をとっていますか」の質問に対して、「停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備している」と答えた人は全体の51.3%と項目のなかではもっとも多い割合となりました。次に多かった「食料・飲料水、日用品、医薬品などを準備している」(46.1%)よりも高い割合となり、停電への対策は重要性が高いと認識している人が多いと言えるでしょう。
これから地震発生時の停電への備えを検討している人や、今行っている備えで十分か見直しをしたい人のために、地震への停電対策として行っておきたい備えを解説します。
なお、災害への全体的な備えについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
防災用品リストと防災グッズの重要性を防災士が解説!
停電時にも使用できる防災グッズを用意しておく

電気が使用できなくなると、明かりや情報を得ることが困難となります。以下の防災グッズを準備しておきましょう。いつでもすぐに取り出せるところに用意しておけば、夜間に停電が発生した場合でも安心です。
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- モバイルバッテリーとケーブル
- ポータブル電源
断水への備えも検討しておく
マンションの高層階や企業など、電気式のポンプを使った給水方法が採用されている建物では、停電が起きるとポンプが動かなくなるため、断水が発生します。蛇口から水が出なくなるため、以下の断水への備えも同時に行っておくと安心です。
- 水
- 給水ジャグ
- 携帯トイレ・非常用トイレ
特に飲料水や給水のためのグッズは確保しているものの、携帯トイレや非常用トイレは準備していない、という方もいるかもしれません。断水するとトイレも使えなくなることを踏まえて、トイレの備えも欠かさずに行っておきましょう。
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冷凍庫に食品や保冷剤を詰めておく
停電によって冷蔵庫が止まってしまった場合、冷凍庫に詰めておいた食品や保冷剤を冷蔵室へ移すことで、保冷効果が期待できます。停電が長引きそうな場合は、備蓄していたレトルトや非常食ではなく、冷蔵庫や冷凍庫に保存していた食品から優先的に食べるようにしましょう。
なお、冷凍庫にものを詰めすぎてしまうと保冷効果が落ちて電気代も高くなってしまうため、詰めすぎには注意しましょう。
通電火災にも注意!地震による停電発生&復旧時の正しい行動
大きな地震と同時に停電も起きると、パニックになってしまう方も多いかもしれません。また、電気が復旧した後、正しい処理を行わないと、通電火災が発生するリスクもあります。
地震による停電発生時に覚えておきたい、身を守るための正しい行動を解説します。
身の安全を確保して揺れが収まるのを待つ
まずは安全な場所で揺れが収まるのを待ちましょう。揺れが収まってからも余震が発生する可能性があるため、慎重に行動します。停電時や夜間の場合は足元も見えないことが多いため、懐中電灯などで足元を照らしながら動きましょう。
自宅のみの停電かを確認する
停電が自宅のみか、自宅周辺一帯かを確認します。もっとも早く確認できる方法が、窓から外を見ることです。他の家庭や建物などにいつもと変わらず電気がついている場合には、自宅のみの停電の可能性があります。ブレーカーを操作して、復旧できるかを試してみましょう。
自宅の周りも暗くなっている場合には、地震によって広範囲で停電が発生している可能性が高いです。自力で復旧は難しいため、停電に備えた防災グッズの準備や、必要に応じた避難などの行動を開始してください。
電化製品の電源プラグをコンセントから抜く
停電から電気が復旧する際に、以下のような原因で通電火災が発生する可能性があります。
- 破損したコンセントや切れたケーブルに通電する
- 電気ストーブなどの電熱機器が作動し、可燃物と接触
- 水没または損傷した電気機器に通電する
通電火災を防ぐために、特に電気ストーブなどの電熱機器を優先して電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。
自宅から避難するときにはブレーカーを落としておく
自宅から避難する際には、ブレーカーを落としておきましょう。地震によって電気機器や電源コードの内部にゆがみや損傷などの異常が生じている可能性があり、復旧と同時に漏電する恐れがあります。
まとめ
地震により停電が起きる原因と日頃から行う備え、地震による停電発生時の正しい行動について解説しました。地震による停電は震源地から離れた場所でも発生することがあります。日頃からの備蓄や停電が起きたときの正しい行動を確認し、いざというときに備えておきましょう。
