防災用品リストと防災グッズの重要性を防災士が解説!

防災用品リストと防災グッズの重要性

いつ起きるか分からない災害に対する備えとして、防災用品を備蓄している方(企業)も多いのではないでしょうか。けれども、防災用品を用意しようとしても、何をどの程度そろえるべきか分からない、という方もいるかもしれません。今回の記事では、本当に必要となる防災用品のリストとともに、それぞれの防災グッズの重要性を防災士が解説します。

3種類の防災用品

防災用品の準備や備蓄は、準備する防災グッズの種類や備蓄する場所によって以下の3種類に分かれます。

防災用品の種類 活用するシーン 備蓄場所
0次の備え 出先などで被災したときに使用する防災グッズ ポーチなどにまとめて、つねに携帯・持ち歩く
非常持出品 避難時に持ち出す防災グッズ 非常用持ち出し袋(防災リュック)に入れる
在宅避難用 ライフラインや物流復旧までの在宅避難用防災グッズ 自宅または企業の倉庫で保管

0次の備えとは、いつ起きるか分からない災害に備えて常に携帯する防災グッズです。小さなポーチにまとめてかばんに入れたり、車に入れておいたりします。 非常用持出品は、今いる場所が災害によって危険が迫っている場合、安全な場所へ避難する際に持ち出す防災グッズです。避難場所まで無事にたどりつくまでの防災グッズを入れます。ふだんは両手の空くリュックの中に防災グッズを入れて、玄関先やオフィスのデスクの下など、持ち出しやすい場所に保管します。 在宅避難用は、災害によってライフラインや物流が寸断された場合、復旧までを過ごすための防災グッズです。在宅避難または企業内で避難する際の、最低3日間、できれば1週間生活するための防災グッズを準備します。

本当に必要な防災用品リスト

防災用品の種類に合わせて、最低限本当に必要な防災用品を以下のリストにまとめました。防災グッズによっては防災用品の種類が重複しているものもあるので、しっかり確認して備蓄を行いましょう。

防災グッズ 備考 備蓄量の目安
食料 0次の備えや持出品は調理の手間なくそのまま食べられるもの
在宅避難用はガスコンロで温める、お湯を入れるなどのものも選択肢になる
0次の備え:1食分
持出品:3日分
在宅避難用:3日〜1週間分
飲料水 0次の備えや持出品は携帯しやすい500mlペットボトル
在宅避難用は2Lペットボトルで用意
0次の備え:1本
持出品:500ml×3本
在宅避難用:3日〜1週間×人数分
簡易トイレ(非常用トイレ) ライフラインが止まると水道も止まるため用意
持出品と在宅・企業避難用備蓄で準備
1日あたり8回分が目安
持出品:3日分
在宅避難用:3日〜1週間×人数分
モバイルバッテリー 情報収集や安否確認のためのスマートフォン充電に必要 持出品、在宅・企業避難用で備蓄
ホイッスル 救助を待つとき、助けを求めるときなどに使用
大声を出すと体力を消耗するため、ホイッスルを使う
0次の備え、持出品で備蓄
アルミブランケット コンパクトに折り畳めるものを選ぶ 持出品で備蓄
携帯ラジオ スマートフォンの消耗を防ぐため情報収集に使う
手回し充電式だと給電ができる
0次の備え、持出品、在宅避難用で備蓄
LEDライト・懐中電灯 安全な場所への避難時や停電対策として準備 0次の備えや持出品は、ネックライトなど身につけられるものが便利
在宅・企業避難用は常備灯として備え付けタイプも選択肢になる
現金 自動販売機や公衆電話用
電子決済が利用できないときに活躍
小銭を用意しておく
救急セット 怪我をしたときの応急手当用 0次の備え:絆創膏数枚など持ち運びしやすいもの
持出品:絆創膏や消毒薬、包帯などを入れておく
在宅避難用:いつも使用している救急セットを流用

在宅避難時の食料については最低3日間、できれば1週間分を備蓄します。そのまま食べられるものだけでなく、お湯を使うインスタントやレトルト、さらに冷凍していたものなどふだんの食事に近いものも選択肢となります。ローリングストックを上手に活用することで、在宅避難時の食事のバラエティを広げることができます。
マイレットの災害用トイレ(非常用トイレ)一覧はこちら

ローリングストックの方法やポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
ローリングストックとは?日常備蓄での方法やメリット、上手な備蓄のポイントを解説

余裕があれば備蓄しておく防災用品リスト

必要な防災用品リスト

本当に必要なものに加えて、余裕があれば備蓄しておくと良い防災用品リストを以下にまとめました。

防災グッズ 備考 備蓄量の目安
給水用ポリタンク 断水したときの備え。折りたたみできるもの、大容量のものなど使用する人数やシーンに合わせたものを準備しておく 在宅避難用
カセットコンロ・ボンベ ガスが止まったときに。食料を温める、調理をする、お湯を沸かすなどで活用できる 在宅避難用
使い捨て食器類 断水時食器を洗わずに済むため。紙皿、紙コップ、割り箸、プラフォーク、スプーンなどを用意 在宅避難用
ヘルメットまたは防災頭巾 避難時頭上を守るために使用
折りたたみ式などもある
持出品、人数分用意する
布粘着テープ 止血用、メモなど用途はさまざま 0次の備え、持出品、在宅避難用
万能ナイフ 缶切りや包丁代わりに使用する 持出品
衛生用品 感染症予防。マスク、消毒液、歯ブラシ、マウスウォッシュ、ウェットティッシュなど 0次の備え:ウェットティッシュ
持出品、在宅避難用:その他のもの
携帯用カイロ 寒い時期の防寒用 0次の備え、持出品、在宅避難用
ビニール袋 簡易トイレやゴミの処理、雨具など使い方はさまざま 大小合わせて10枚前後
火器 カセットコンロなどに火を付けるときに。ライター、マッチ、チャッカマンなど 在宅避難用
軍手 破損したガラスや家具で手を切らないため。手の防寒としても使用できる 持出品、在宅避難用

必要に応じてそろえておくべき防災用品リスト

最後に、災害発生時に必須となるものは人によっても異なります。以下の必要に応じてそろえておくべき防災用品リストを参考に、個人的に必要なものがあれば合わせて備蓄をしておきましょう。

防災グッズ 備考 必要となる人
生理用品 本来の用途としてだけでなく、ガーゼの代用品としても使用可能 女性
身だしなみグッズ 災害時でもふだんと同じ生活を送るためにブラシやくし、化粧品など 女性
防犯ブザー 災害発生時の防犯対策として 女性、子ども
介護・介助グッズ 必要に応じて準備大人用おむつ、介護用品、補聴器、介護食、入れ歯、入れ歯洗浄剤など 高齢者
赤ちゃん・幼児用グッズ 必要に応じて準備
紙おむつ、ミルク(液体ミルク)、哺乳瓶、離乳食、洗浄綿など
乳幼児
生活に必要なもの 必要に応じてスペアも用意眼鏡、コンタクト、杖、常備薬など 必要な人

まとめ

災害のシーンや必要に応じた防災用品リストを紹介しました。防災用品をあらかじめ準備、備蓄しておくことで災害発生時に避難所までの命を守ったり、ライフラインや物流が復旧するまでの避難生活を安全に過ごせたりといったことにつながります。防災用品をすべて最初から準備、備蓄するのは負担にもなります。まずはできる範囲から防災用品の準備や備えを行うことも重要です。

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