2018年も残すところ2カ月を切りましたが、今年は台風や豪雨による洪水、地震による家屋倒壊や土砂崩れなどが各地で発生し、まだまだ復旧作業中の地域もあり、避難生活が続いている地域もあり、心配事は尽きません。
私の住む大阪南部でも9月の台風21号による被害で数日間停電となった地区があり、あらためて電力の大切さを認識しました。さらに、多数の地区で同時に被害が発生した事から電力復旧の難しさも痛感しております。
皆さまに「影響や被害を小さくする知恵」を得て頂きたいと考え、今回から数回に渡って「停電対策」をご紹介したいと思います。停電対策の家庭編を今回ご紹介しまして、次回以降に企業編をご紹介したいと思います。
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地震や豪雨、台風など災害の種類や、エリアによって災害時に必要なものは変わってきます。また家族構成によってももちろん変わってきます。防災に向き合ったプロがする必要なものとは?
家庭でできる停電対策とは?
まずは家庭で出来る備えのポイントとその理由からご紹介します。
- 優先するのは「明かり」と「情報、通信」
明かり:夜間の視界の確保や建物内での生活のため(ライトやランタン)
情報、通信:情報の入手や安否確認のため(ラジオや携帯電話、スマートフォン) - 乾電池や乾電池型の充電池で電力をまかなう備え
停電の場合はバッテリーの充電が出来ない状況が想定されます。
(普段は便利なモバイルバッテリーも一旦使い切ると充電が必要になります)
一般的なテレビやデスクトップパソコン、コンセントが必要な固定電話は利用できません。(テレビについてはポケットサイズのワンセグテレビという選択肢もあります) - 電気を使わない加熱、暖房器具
暖房や調理は数時間程度でしたら我慢でしのぐ事ができるかもしれませんが、体調の維持を考えますと備えが必要です。(カセットコンロ、石油ストーブ、木炭コンロ等)
停電で活躍する「電池」について
少々掘り下げて電池についてお話をしたいと思います。
- 備蓄には単三電池と同じサイズのニッケル水素充電池(長期保存対応タイプ)も有効です。
メリット:液漏れの可能性が低く、長期間の保存が可能。
(私も液漏れでライトを壊してしまった苦い経験があります)
デメリット:単価が高い。使用後の充電を想定する必要がある。 - 備蓄する電池の種類はある程度まとめることができます。
アダプターを用意する事で、
単四→単三
単三→単一や単二
といった変換ができます。
アダプターがあれば、家電のリモコン等から電池を取り出して、防災用に利用する事もできます。
※容量が小さくなる事と、アダプターによってはサイズが合わない可能性があるため、必ず事前の動作確認を行ってください。 - 乾電池からUSB出力可能なモバイルバッテリー(外部充電器)が最後の砦になります。
メリット:買い置きの乾電池を利用するため、停電の長期化にも対応できる。
デメリット:大量の乾電池が必要。
※機器によっては充電ケーブルを限定している場合があるため、必ず動作確認を行ってください。(モバイルバッテリ―付属のケーブル以外は利用できない場合もある)
停電対策の注意点
上記の備えに加えて、注意点や+αの備えをご紹介します。
- ライトは枕元に最低1つ用意してください。夜に停電した場合は、真っ暗では避難する事も困難です。枕元にライトは普段からの備えとしてぜひ。
- マルチグッズ(ラジオ、ライト、サイレン、手回し充電etc..が1台になった防災グッズ)は便利ですが、割高だったり、故障などで全ての機能を失うリスクがあることから、複数の備えのうちの1つとしてご検討ください。具体例として、1階の居間にはマルチグッズが備えてあり、寝室やガレージにはそれぞれライトやランタンを備えているといったパターンがあります。
- 電気を使わない器具には燃料(灯油やガス缶、炭等)の備えが必要になります。できれば年に数回でも家庭で利用して、燃料の補充が定期的に行われる状態がベストです。(とくにオール電化のご家庭の方はご注意ください)
- ハイブリッド車をお持ちの場合は、電力を外部に出力できるアダプター(インバーター等)を準備しておくと便利です。
※ガソリンの確保が必要となりますが、普段からタンク内のガソリンを減らしすぎないよう心がけておきましょう。 - 停電時にも火災予防は忘れてはいけません。明かりのためにローソクを使用して火災が複数発生しています。(消防庁はTwitterなどで裸火を使用しないように注意喚起しています)また、避難の際は通電火災の防止のため、ブレーカーを落とすことをお忘れなく。
- デジタルデータの保護も備えの一つです。記憶装置(ハードディスクや内部メモリー)を内蔵したレコーダーをビデオカメラやデジタルカメラの保存場所にしている場合、停電でデータが失われる可能性もあります。常時電源が入っているデジタル機器は停電によって壊れるリスクがあることを認識し、バックアップをとるなどの事前の備えを行ってください。大切な家族の想い出が失われると深刻です。
- 命に関わる機器(呼吸器等)は専門家のアドバイスを受けてください。北海道胆振地方の地震による停電でも家庭で呼吸器の停止による死者が発生したとの報道がありました。
今回は家庭編ということで、家庭でできる停電対策や注意点を中心にご紹介しました。次回の企業編では業種、業界を問わずに参考となる備えについてご紹介したいと思います。