地震の備蓄を見直そう!津波と帰宅困難対策のための防災グッズ

2011年3月11日に発生した東日本大震災(正式名称:東北地方太平洋沖地震)から8年が経とうとしています。東日本大震災では、津波からの避難、大都市での交通機関停止、原発事故、広範囲に渡る自治体の同時被災、燃料や電力の不足等、様々な問題が発生しました。

東日本大震災から得られる数々の教訓のなかで、今回は『備蓄』をキーワードに下記の2つのポイントでご紹介したいと思います。企業や団体で可能な備えを中心にご紹介しますが、個人や家庭でも可能なものがありますので、ぜひ最後までご覧ください。

高台避難、垂直避難に対応した備蓄

津波からの避難は「素早く高いところへ避難」が基本ですが、避難した先で警報が解除されるまで待機する必要があります。規模の小さい地震(=規模の小さい津波)の場合はすぐに警報が解除されますが、大規模地震の場合は余震や複数回の津波発生が想定されるため最低でも数時間(大阪市内では6時間以上を推奨)の待機が必要となります。

高台の公園や展望台、ビルの上層階や屋上で長時間過ごすことは可能でしょうか?東日本大震災では「雪の舞う中、高台で身を寄せ合っていた」といった被災者コメントもあり、津波から助かった後でも身の危険があったことが明らかです。津波が想定されるエリアでは、避難場所にある程度の備蓄品を用意すべきでしょう。

水・食料の他、屋外で使用可能な防寒着や断熱ブランケット、持ち運び可能な簡易トイレ(可能であれば便座やテントも合わせて)、停電を想定した照明器具(ライトやランタン)、情報受信機器(携帯ラジオやワンセグテレビ)、通信機器(スマートフォン+モバイルバッテリー)があれば最低限レベルはクリアと言えるでしょう。

災害用トイレ処理セット10回分

災害用トイレ10回分

仮設トイレ代替セット

仮設トイレ代替セット

簡易便器

簡易便器

さらに余裕があれば、寒さ対策として使い捨てカイロやカセットガス式ヒーター、濡れた体を拭くための清潔なタオル、腰を下ろすためのシート類、雨対策用品もあれば良いかと思います。
これらを駆使しつつ数時間から数日の間、避難を継続する事をお勧めします。
※なお、これらの備蓄は水害でも役立ちます。

帰宅困難に対応した備蓄

東日本大震災直後は首都圏を中心に駅やバスターミナルの周辺が多くの人で溢れている映像をご覧になられた方も多いかと思います。当初は「なんとかして安全に帰宅する」だったものが「無理に帰らない」といった流れになっています。
その根拠としまして自治体で条例が定められています

(東京都:帰宅困難者対策条例)

※東京都以外にも同様の条例が制定されるケースが増えております

条例によりますと、会社等の建物が無事であれば極力建物内に留まることを基本としています。緊急車両のために道路を極力空けるという方針ですので、人の移動(バスやタクシー)だけでなく物の移動(トラック等)もストップします。そのため備蓄は3日分以上が必要となります。(大都市圏ではさらに長い日数を推奨するケースもあります)

また、避難所の収容人数や備蓄量そのものに限界があるため、企業や団体単位での自助を求めているという側面もあります。(一部の自治体では「避難所に収容できるのは、住民○○人に1人です」といった告知を始めています)
備蓄品の内容としましては、ポイント1とほぼ同様とお考えください。

※建物内のトイレを利用するために防災用の簡易トイレをお忘れなく。(建物の中に野外用の仮設トイレを設置する事はほぼ不可能です。また公的な仮設トイレが民間企業に貸与される可能性もゼロに近いとお考えください。)

ある程度の備蓄品を用意しているよ、という方もこれを機に一度点検を行ってみてはいかがでしょうか。今回ご紹介しました備蓄のポイント以外にも東日本大震災では数多くの教訓が得られています。「完璧を求める」よりも、まずは「できる事から」取組んでみてはいかがでしょうか。

初めて防災用品を購入する法人様へ

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