防災でトイレが必要なのか?災害時のトイレ情報についてまとめました

水を使わない携帯トイレの概要について

我が国ではトイレといえば水洗が普通になっていますが、巨大地震などの大規模災害時にはそのような常識は通用しません。

1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災でも大きな問題となりましたが、このような場合には水道管の破損にともなう断水が発生しますし、仮に断水がなくても下水道管のほうが破損して、せっかく流した水が逆流してしまうことがあります。そこで注目されるのが水をいっさい使わない携帯トイレの存在です。

災害対策として、あるいはアウトドア用の名目で市販されている携帯トイレは、汚物を入れるための袋と凝固剤がセットになっているものが多いといえます。携帯が前提ですので水で流す必要がありませんし、しかもサイズがごく小さいためにカバンの中などに常時入れておくことも可能です。

袋や凝固剤だけではなく、便座の代わりとして利用できるような耐久性のあるダンボールの箱を組み合わせたもの、あるいは外部から見えないように折りたたみができる小さなテント状の個室を組み合わせたものなど、用途にあわせたいくつかのバリエーションがあります。また凝固剤などの本体のほうの品質についても、製品の種類によっていろいろな違いがみられます。

携帯トイレを買わなくても新聞紙などで代用できるが抗菌・消臭が弱い

市販されている携帯トイレをわざわざ購入しなくても、自宅にあるようなありふれた品物を使って携帯トイレの代わりをさせることは可能です。

たとえば新聞紙とビニール袋を組み合わせる方法があります。家庭にある洋式トイレで用を足す場合には、ビニール袋のふちを便座の部分に掛けて固定し、その中に丸めた新聞紙を入れておきます。折り目がほとんどない新品の状態の新聞紙では水分の吸収がしにくくなるので、わざと丸めてビニール袋の形になじませておくとよいでしょう。

また中に敷いた新聞紙のエッジの部分を立てておくと、汚物が外に漏れにくくなります。用を足した後は袋の中に溜まった空気をできるだけ追い出してコンパクトにした上でビニール袋の口をしばり、地域のルールにしたがってごみとして捨てます。もしもトイレがまったくない場所で用を足す場合には、新聞紙やビニール袋は同様ですが、便器の代わりにみかん箱などの適当な大きさの箱を用意し、カッターで天井の部分をくり抜いて利用すると便利です。

このように手近な材料でも簡易トイレづくりは可能ですが、専用の製品ではないだけに、不快な臭いは防ぎようがありませんし、抗菌効果などもないために、場合によっては不衛生な取り扱いで病気の蔓延などのトラブルを招くおそれは否定できません。

防災トイレで人気なのは、消臭・抗菌にこだわった高品質な商品

市販されている防災トイレにはさまざまな種類があるとはいえ、やはり人気が高いのは消臭や抗菌の機能にこだわった製品です。これらの機能は新聞紙とビニール袋だけでつくったありあわせの簡易トイレにはみられない大きな特色といえます。

製品に付属している凝固剤は、もちろん単に水分を吸着してひとりでに固まるだけの機能しか持たないものもありますが、高性能をうたった製品であれば、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの有害な細菌類の繁殖を抑制する効果がありますので、災害時にはつきものの感染症のリスクの低減につながります。

ビニール袋そのものも同様に、スーパーマーケットでよくみかけるレジ袋のような薄手で臭いを通しやすいものではなく、耐久性が高く臭気をシャットアウトできるものを用いているのが普通です。なお凝固剤にも粉末状やタブレット状などのいくつかのタイプがあるほか、同一名称の製品でも大便用と大小兼用に分かれていることがありますので、購入するにあたって製品の説明はよくチェックしておくことがたいせつです。

凝固剤とは、吸水ポリマーで尿を可燃ごみに変えるもの。消臭抗菌もできる

防災用の携帯トイレに付属している凝固剤は、特に製品を選ぶ上では重要な要素といえます。

凝固剤には吸水ポリマーとよばれる樹脂が配合されているため、尿をはじめとする水分を吸着して固形化することができます。この技術は生理用品や紙おむつなどにも応用されているため、携帯トイレに限らず、暮らしの中にも意外と入り込んでいるものです。

実際に携帯トイレを購入して現物を目にすると、凝固剤のあまりの小ささに驚くことがありますが、特に心配することはありません。実は吸水ポリマーは自重の数百倍もの水分を吸収することができるため、小さな見た目に反してトイレなどの用途にも十分に対応が可能です。ただし単なる水を吸収するのとは違って、携帯トイレの凝固剤は人間の尿などの汚物を吸収するのが役目ですので、ナトリウムなどの不純物があっても吸収性能を失わないような工夫がほどこされています。

また臭いや細菌の繁殖を抑制するための消臭抗菌効果をプラスすることもできますので、衛生的な取り扱いが可能です。尿のような液体をそのままでは家庭ごみとして処理することは当然できませんが、凝固剤があれば使用後は固形の可燃ごみになりますので、処理の手間も心配がなくなります。

結論として、災害用トイレ処理セットはやっぱり購入して備えておこう

以上のとおり災害時には上下水道が使用不可となるおそれが強いことから、通常の水洗トイレに代わる簡易トイレを用意する必要があります。その場合に家庭にある新聞紙やビニール袋、ダンボールを使って簡易トイレを自作することは可能であるものの、用を足す時や保管中における臭いや雑菌の繁殖を考えると、問題が多いのも事実です。

こうしたトラブルを避ける意味では、最初から災害用につくられた市販の携帯トイレを購入しておくのがベストです。これらの携帯トイレには吸水ポリマーを含む凝固剤がセットされていますので、使用後に可燃ごみとして処理することができますし、抗菌消臭効果がプラスされた製品を選ぶこともできます。

災害の規模が大きければ上下水道の復旧もかなり先のことになりますし、その間にありあわせの簡易トイレだけで済ますことには大きな困難がともないます。最近では相次ぐ巨大地震などの大規模災害を見据えて、標準的な家族で何日か持ちこたえるだけの携帯トイレをセット販売しているケースも多くなっています。セットで購入すれば高性能な製品であっても単価はより安くお得になりますので、いざという時のために備蓄しておくこともこの際必要といえるでしょう。

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