発災直後の避難所は、多くの人で溢れかえります。避難所にはプライバシーなどないといっても過言ではありません。
不特定多数の人々と生活をともにすることは、想像以上のストレスを抱えたり、性犯罪という深刻な問題も内包しています。
それぞれの事情や様々な主張、性別における問題など、細かな部分にまで配慮が行き届かない状況の中に身を置くことになるのです。
避難所での生活を少しでも安心・安全なものにするためには、パーソナルスペースの確保が必要不可欠になります。
災害時における小さなテントの有用性について説明していきます。
テントで目隠し。自分専用のトイレスペースを確保
簡易トイレの備蓄は、災害時に欠かせない重要アイテムですが、既存のトイレルームが使えない場合、小さなテントが大いに役立ちます。
たとえ避難所のトイレが使えたとしても、多くの人にとって満足のいくものではないでしょう。
不衛生、場所が遠い、暗くて怖い、使いにくいなど、不特定多数の人が使うトイレに不安やストレスは付き物です。
災害時における避難所生活は過酷なものと言わざるを得ませんが、自分専用のトイレスペースを確保できたなら、避難生活のストレスはかなり軽減できるのではないでしょうか。
テントはプライバシーを守るアイテムです。災害用のトイレ備蓄として、一緒に用意しておきましょう。
着替えや授乳など、女性のためのスペースを確保
災害時の避難所においては、不特定多数の人が混在することから、女性や子どもが犯罪に巻き込まれる危険性が以前から指摘されています。
内閣の報告書では、熊本地震避難者に対し、避難所内での男女別の配慮についてアンケートをとったところ、「男女別の配慮がなかった」という回答が63.1%にのぼっていることが示されています。
「発災直後は男女別への配慮が後回しになっている状況が散見された」という意見もあり、これは避難所の実態を伝える声として注視しなければなりません。
男女別のトイレや更衣室、女性や赤ちゃんのための個室など、平時では当たり前の配慮が、災害時にはおざなりになります。
特に発災直後は安全確保や人命救助が優先されるため、男女別の配慮が欠けた状況の中にあっても、多くの人はそれを言い出すことができず、必然的に我慢を強いられることになります。
災害が大きければ大きいほど、避難所は様々な人が往来することになり、避難者と部外者の区別もつきません。
近年、女性に視点を置いた避難所の在り方が強く求められ、改善策が講じられ続けていますが、避難所の設備や備蓄、防災の取り組みについては、自治体によって大きく異なるのが現状です。
避難所に潜む犯罪リスクを少しでも軽減するために、小さなテントをぜひ自分で用意しておいてください。
着替えや授乳、洗濯物を干す場所として、小さなテントは、避難所生活における不特定多数の人の目から、大切なプライバシーを守ります。
参考PDF:平成28年度避難所における被災者支援に関する事例等報告書
災害用におすすめのテントとは?
昨今のアウトドアブームもあり、様々なテントが豊富にありますが、災害に備えるなら、まずはトイレ用にも使える小さなテントを用意しておくことをおすすめします。
災害用の小さなテントを選ぶ際のポイントとしては、いざというときにすぐ持ち運べるよう、軽量でコンパクトであることはもちろん、一人でも簡単に設置できるかどうかが重要。
トイレットペーパーのホルダーがついているもの、ランタンなどの照明をぶら下げられるものが便利です。
見落としがちな点として、テント内は重要なプライベート空間となりますから、中にいる人の姿が外から透けて見えないかどうかは非常に重要です。
光の加減で中の様子がシルエット状に見えたりしないかどうか、しっかりチェックしましょう。
また、テントが風などで簡単に動いたりしないよう、室内外問わず、テントの固定が容易にできるものがおすすめです。
トイレとして使用することを前提に、通気性にもこだわりましょう。
人目を遮断しつつも、臭いがこもらないよう通気口の位置や大きさは重要ポイント。雨が降ってもそこから水が入り込まないかも要確認です。
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まとめ
災害時における避難生活はどれくらい続くかわかりません。終わりの見えない不安を少しでも軽減するためには、パーソナルスペースの確保が非常に重要になります。
テントは、助かった命を守るために必要なものです。しっかりとした確かな品質のものを選びましょう。