この原稿の作成時点で、九州南部では豪雨による災害が発生というニュースが流れておりまして、まだまだ続く雨により被害が拡大する恐れがあるとも報じられています。現地で救助や支援を待っている方々、現地で活動する方々、まだまだ油断できない状況が続きますが、どうか皆様ご安全に。
災害発生前後に必要となるのは正確な情報です。デマや噂話などが拡散されることもあり、二次災害の原因にもなりかねません。正確な情報の入手手段は複数用意して、注意深くチェックする必要があります。
防災で情報といいますと、ラジオやポケットテレビなどを抜いて主役にあるのはスマートフォン(以下、スマホ)かと思います。スマホ向けに情報を公開している、新聞社やテレビ局などの一般的な情報源以外で私が個人的にお勧めしたい情報源をご紹介します。
Contents
スマホアプリ、サービス
NHKニュース防災
災害時はプッシュ通知で災害情報やライブ配信情報がスマホに届きます。
goo防災アプリ
災害時はプッシュ通知で災害情報がスマホに届きます。
J-anpi(安否確認)も利用できるようになっており、大規模災害時も役立ちます。
Yahoo防災
アプリ版とWeb版がありますが、Web版を愛用しています。
登録した地域単位で災害情報、避難所情報などが届きます。豪雨予報のメールも普段から便利です。
地域の防災サービス(都道府県や市町村が情報を発信)
自治体によって機能や情報に差がありますが、無料登録が大半なので、地元で登録しています。
他にも「goo防災マップ」や「ゆれくるコール」などもインストールしていますが、今回は割愛します。
少し変わり種として、次のようなアプリも防災に役立ちます。
乗換案内
意外かもしれませんが、乗換案内は運行情報をチェックできるため、移動ルートの確保や間接的ですが被害状況をつかむこともできます。
スマホナビ(TCスマホナビを愛用)
カーナビや徒歩ナビとして便利なだけでなく、通れた道(通行実績)の情報が得られるタイプですと、災害の発生後に移動ルートを選定できるため、移動時に役立ちます。
コンパスアプリやルート記録アプリ
アウトドア用のイメージが強いですが、災害時の移動や復旧作業にも役立ちます。
カメラアプリ
ほぼ全てのスマホに付いていますが、被害状況の記録やルートの確認(地図や案内板等の情報を手元に持てる)に役立ちます。
SNS
いくつかメジャーなSNSがありますが、個人的にはTwitterを防災情報の収集用に利用しています。気象情報や防災情報を発信しているアカウントや政府、自衛隊、消防などのアカウントをフォローしています。フォローすると自動的に情報を自分の画面(タイムライン)に表示してくれます。
個人的な感覚ですが、Twitterでメジャーなアカウントをフォローしていても、地震情報などは遅れる事があり、即時性という意味では「当たり外れ」が出てきているように思います。その理由は定かではありませんが、少しでも早く情報を得るため、地震の速報だけでも複数のアカウントをフォローしていまして「どれか1つでも引っかかれば・・・」といった状態で利用しています。
SNSは手軽である故に、デマや噂話も多いのですが、うまく使えば有益なものです。今回の災害でも人吉市がアカウントを開設し、被災地で必要な情報の発信に利用しています。今後は被災した自治体と被災していない遠隔地の自治体が情報の発信や収集で連携してもらえたら、もっと良くなるのではと感じたりもしています。
ワンセグテレビ
スマホの機種によりますが、政府も災害時に推奨している(していた?)ワンセグテレビが付いているものがあります。画面が小さいというハンデもありますが、通信の混雑の影響を受けないことから、最後の保険的に準備しておくことをお勧めします。最近の機種ではアンテナが省略されていることがあり、10cm程のアンテナコード(ヘッドホンのアダプタにもなっている)を普段持ち歩くカバンに忍ばせてあります。(普段使う事はありません)
自治体のハザードマップ
これは応用ではなく基本中の基本ですが、自治体のホームページからダウンロードできるケースが大半です。これまでの災害では自治体の庁舎が被災したためにサーバーも停止したというケースがあり、災害が起こる前にチェックしておくことが必須と言えます。ダウンロードして安心、窓口でもらって安心ではなく「自宅の場所をチェックする」「自宅の立地をチェックする」「避難所をチェックする」「避難ルートをチェックする」といった『図上演習』もセットで備えてください。
※現時点ではまだ調査中ですが、今回の九州を中心とした豪雨災害では被災エリアの9割が何らかの危険想定がされていたといった報道もあることから「知る事の重要性」は変わっていないと思います。
避難所に指定されている施設のホームページ
避難所を見つけても安心できない場合があります。避難できる災害に制限がある場合(水害の際は避難禁止、津波の際は避難禁止等)や、収容人数、収容対象に制限がある場合もあります。(公共施設であっても、必ずしも避難所になるとは限りません。)実例として、公共施設が遊水施設に指定され、洪水時にあふれた水を引き込んで「貯水する(水没する)」場合もあります。
さらに念には念を入れる場合は、自治体の各窓口の連絡先(電話番号や個別のホームページ)、インフラ関係の各種連絡先(電気・水道・ガス・電話等)も調べておくと、災害時や被災後に問い合わせや復旧依頼に役立ちます。(ただし、混みあうことが想定されるため、問い合わせの頻度等ある程度余裕を持ってください。)
地理院地図
http://saigai.gsi.go.jp/2012demwork/checkheight/index.html
防災目的で使う人は少数派かもしれませんが、地図上でその土地の標高が分かります。単純に標高が分かるだけですと、津波が来るのかな?程度ですが、自宅や会社の標高をチェックし、周りの土地や近隣の川、ため池の周囲の標高と比べると・・・。水は高いところから低いところへ流れるという、当たり前の自然現象を考えますと、ハザードマップの仕組みや被害の広がりがなんとなく分かっていただけるかと思います。
得られる結果はハザードマップに近いものになるかもしれませんが、ハザードマップはあくまで「〇〇川が◇◇地点で決壊した場合」といった想定でシミュレーションされた結果を図式化したものですので、想定とは異なる状況の場合には対応しきれない場合があります。そしてそんな場合でも先程の自然現象は有効です。高い場所、低い場所の情報は何かと役立ちます。
天雲レーダー
特定の会社やサービスをチェックしているわけではありませんが、自宅にいるときも、外出先でも、空を見て天気が崩れそうだなと思ったときはスマートフォンで天雲レーダーをチェックします。たいていは西から東へ雲が流れるので、これから先にどの程度の雨雲がやってくるかが分かります。(今のところゲリラ豪雨や山間部等の急な天候変化には対応が難しいようです)
川の防災情報
https://www.river.go.jp/portal/
多機能すぎて簡単に紹介できないのですが、私が良く利用するのは「川の水位情報」「河川カメラ」です。他にも河川ごとの洪水の危険性や土砂災害の危険度分布など、水害や洪水に関係する情報が集まっています。早めの避難に役立ちそうな情報もあるため、河川の近くや低い土地にお住まいの方はぜひチェックしてみてください。
これからの大雨・台風シーズンを前に水害や土砂災害に目を向けてみることをお勧めします。