9月1日の防災の日ということもあり、防災訓練の体験コーナーで171を体験された方も多いのではないでしょうか。ここ最近は大規模な災害が多発している事から、試験利用ができない事もしばしば起こっています。役に立つ事は良い事なのですが、イコール災害が起きているという事ですので、防災士としては複雑な気持ちです。
※9月2日時点で九州北部大雨に伴って災害運用中となっております。
当ブログでは過去に安否確認手段として
をご紹介しました。
今回はこの2つ以外の安否確認手段をご紹介したいと思います。
◎電子メール(以下メール)
普段から利用している方が多いため安否確認手段としても身近なツールです。文字、写真が使えるため、受信後に落ち着いてから読むといった事も可能です。
東日本大震災の際、私はまだガラケー(フィーチャーフォン)で、出張先で被災し、建物の中に一時避難しメールで家族や友人とやり取りし情報を収集した事を思い出します。
首都圏にいて数時間の遅れが出た記憶がありますが、連絡が取れる事のありがたさを痛感しました。
メールアドレスごとに相手の環境(PC、スマホ、携帯電話等)を知っておいた方がよい。
※職場PCのメールアドレスの場合『安否確認のメールを送っても休業日の場合は回答が遅れてしまう』『職場は被災したが当人は自宅にいて無事だが安否不明者になってしまう』。といった事が起こります。
SNS
こちらも身近なツールで、SNSのメッセージ機能はメールよりも普段使いが多いと言われるほど日本では普及しています。文字、写真が使えるほか通話が可能なアプリもあります。既読機能で返信がなくても、ひとまずは受信者が見た(見る事ができる状態だった)ことが確認できます。
(事前の登録や承認も必要なものが大半)
SNSではありませんが、指定したメールアドレスに用意したメッセージを簡単な操作で一斉送信できるスマホアプリもあります。
例)goo防災アプリの「家族へ連絡」機能
電話番号を宛先にした簡易メッセージ機能(SMSと呼ばれたりします)
音声回線が混雑している場合でも比較的安定して利用できるとの技術的評価もありますが、個人的経験からアプリによって動作にばらつきがあるため、お勧めしていません。
- アプリによって通知や履歴機能に差異がある。(待ち受け画面の通知を閉じたらそれっきりでアイコン等に表示がない)
- 電話帳との連携が上手くいかない場合がある。(電話番号が表示されるが誰からのメッセージか分からない)
- 改行や文字数などの制限が画面上で分からない、非対応だったりする。(相手には途切れたメッセージのみが届く)
携帯電話会社の災害用伝言板
こちらは会社ごとに利用開始のタイミングが異なる、MVMOなど非対応の場合があるなど個人的にはお勧めしませんが、手軽に利用できるため利用の際のコツをご紹介します。
- 安否情報の登録は各携帯電話会社の説明に従う。(公式アプリが用意されている場合もあります)
- 安否情報の参照は「j-anpi安否情報まとめて検索」http://techlog.iij.ad.jp/archives/1607 を利用する。
「j-anpi」で参照する事で「安否不明のAさんってどこの電話会社だっけ?」という事も回避できます。
安否確認に限ったことではありませんが、171にせよ、今回ご紹介した方法にせよ災害発生後にいきなり使おうとしてもダメです。普段の生活のなかで利用する、普段利用できないものは試験利用日や防災訓練で体験するといった「良い意味での慣れ」が必要です。できれば家族や職場、学校などで「安否確認訓練」を年に1~2回は実施しておけば安
心でしょう。そして、2つ以上の安否確認手段を準備しておくこともお忘れなく。