簡易トイレの凝固剤の成分とは?

災害時には、学校や公民館などが緊急避難場所に指定されており、多くの人々が使用します。学校や公民館など建物に設置されたトイレの他、組み立て簡易トイレ、携帯簡易トイレを使用します。

簡易トイレとは災害時などトイレが使用出来ない時に使用することが出来るトイレです。避難場所でのトイレは、多くの人々が使用するため排せつ物からの感染症が大きな問題となるのは言うまでもありません。汚物は放置しておくと、大腸菌や黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌などのばい菌が異常繁殖していきます。こうした菌により感染者が増えてしまい、二次災害にもなりかねません。感染者を出さない為には、トイレのより高い抗菌・消臭が重要なポイントになってきます。現在多くの企業・自治体で備蓄されている商品の中に、簡易トイレと凝固剤があります。

今回はこの簡易トイレと凝固剤の使用方法、成分、効能などをまとめました。

簡易トイレの使用方法

便器を使用する場合

便器に処理袋をかけておき、通常のトイレと同じように使用し凝固剤を入れてます。 使用後は凝固剤が尿を固めていきますので、臭いも抑えることが出来るでしょう。排便は臭いが拡散しないように凝固剤の中に便が埋没するように、排便後に水をかけておくと、臭い対策になります。

段ボールを使用する場合

段ポールなどを利用して簡易トイレを作る場合は、適当な大きさの段ボールを用意して、処理袋をセットし、袋の中で用を足します、使用後に凝固剤を袋の中に入れ固めます。汚物の処理も簡単に行うことが出来ます。色々な商品が販売されていますので、災害用にいくつかストックしておくとよいでしょう。

凝固剤について

凝固剤に使用されている成分及び効能

ケイ酸塩鉱物や高分子吸収剤、消化成分、除菌成分などがあります。 ケイ酸塩鉱物は臭いを吸着させる効果があり、アンモニアや便臭などの不快な臭いを取り去ることが出来ますので消臭剤として使用されています。

水を使うことのできない避難所のトイレでは、悪臭の問題などもあるため、トイレを使いたくないという方もいるかもしれません。しかし消臭効果のある凝固剤の成分が含まれているのであれば、臭いの問題も解決することができるので、快適にトイレを使うことが出来るでしょう。

凝固剤はトイレ使用後の糞尿に振りかけると、すばやくゼリー状に変化をし、排泄物の臭いを消してくれる働きがあります。また凝固させることによって廃棄しやすくなりますので、後処理も簡単に行うことが出来るというメリットがあります。

また抗菌効果のある凝固剤を使用することによって、感染症のリスクを低減させていくことが出来ますので、簡易トイレを選ぶ際は高い抗菌作用のある凝固剤や消臭剤を選ばれるとよいです。 大腸菌や黄色ブドウ球菌などに感染すると、下痢、腹痛、風邪のような症状が出てきますので注意する必要があるでしょう。重症な合併症には、腎不全や脳浮腫による意識障害やけいれんを引き起こすこともあります。避難生活中にこうした症状が出てしまうと、救護体制が整っていないと十分な治療を受けることが出来ないため、症状が悪化する場合もあるかもしれません。

簡易トイレの処理剤については1回分を小分けにしたタイプのものと、数回分をまとめて処理できるタイプのものがあります。使いやすさのことを考えれば小分けされたものが使いやすく、現在では数回分をまとめて処理できるタイプはあまり流通しておりません。排便後は処理袋を回収すれば、衛生的に使用することが出来ます。

凝固剤には高分子吸収剤が使用されている商品が多くあります。圧力を加えた状態でも保水力を維持することが出来る樹脂が使用されており、普段は粉の状態のものを排尿後に振りかけると、吸収性樹脂に変化し、そのまま処理袋を縛れば可燃ごみとして捨てることが出来るので大変便利です。

凝固剤を使用する際の注意事項

  • 使用する際は、化学反応が起こることもあるため、他の薬剤と混ぜずに使用します。
  • 凝固剤は水洗トイレに流すことが出来ませんので、糞尿を固めた後は可燃ごみなど自治体の指示に従って処分するようにしましょう。
  • 凝固剤は開封後は水分と反応するとゼリー状になってしまうため、避難中であれば湿気や水分を避けて保管をする必要があります、チャック式のビニール袋に入れて、防犯袋に入れておくとよいです。
  • 尿が多く出てしまった場合は、凝固しにくくなるので、通常よりも多く振りかけると固まりやすくなります。

最後に

簡易トイレ商品には様々なものがあります。色々な商品を比較しながら選ばれるとよいでしょう。防災袋の中に1週間分ほど用意しておけば、いざという時に大変役立ちます。 避難所でトイレを我慢することによって、自然と食べ物や飲み物を控えてしまうと、栄養状態が悪くなり、脱水症状を引き起こしてしまったり、エコノミークラス症候群となり、最悪命を落としてしまうことにもなりかねません。 簡易トイレがあれば、排泄を我慢せずに行うことが出来ますので、災害時でも健康を維持することが可能です。 また簡易トイレは便器がないような場所でも段ボールでも代用することが出来ます。いざという時に困らないようにきちんと用意して備えることが大切でしょう。

初めて防災用品を購入する法人様へ

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