中央防災会議の報告書(平成25年12月公表)において、マグニチュード7クラスの首都直下地震が、30年以内に70%の確率で起きると予測されています。首都直下地震というのは南関東地域の直下に起こる地震の総称です。南関東は昔から地震の多い地域ですが、30年以内に70%という数字には一体どんな根拠があるのでしょうか。
首都直下地震の切迫性と備蓄の必要性について説明していきます。
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首都直下地震とは?地震の種類と特徴
地震には2種類のタイプがあります。
直下型
直下型の例としては、1995年に起きた 阪神・淡路大震災 (M7.3)や2016年の熊本地震( M7.3)が挙げられます。
内陸部の活断層に起きる地震です。震源が浅いため、地震の規模が小さくても大激震となるのが特徴で、家屋の倒壊や火災延焼による被害が危惧されます。
海溝型
直下型の例としては、1923年に起きた関東大震災(M7.9)2011年の東日本大震災(M9)が挙げられます。
海洋プレートの沈み込みによって歪んでいた大陸プレートが、元に戻る際に跳ね上がることで発生する地震です。規模が大きく、時にはM8を超えることもあります。主に海底で起きるため大きな津波を伴うことが特徴です。
首都直下地震の切迫性について
南関東は大陸プレートの下に2つの海洋プレートが沈み込んでいるため、昔から地震の多い地域です。巨大地震が度々繰り返されていますが、歴史に残るM8クラスの海溝型巨大地震に、1703年の元禄関東地震があります。
その次に起きたのが、1923年の大正関東地震(関東大震災)です。巨大地震の再来まで220年間あったわけですが、その間、後半にかけて、M7クラスの直下型地震が多数発生しています。
この220年間という数字を、周期性があるものとして推測すると、M8クラスの巨大地震が次に起きるのは、2140年頃ということになります。
海溝型巨大地震の前には、M7クラスの地震が多発することから、今まさに、M7クラスの首都直下地震が発生する危険性が高まっているのです。
南関東地域のどの辺りで直下型地震が起きるかはわかりませんが、もしも、それが都心で起こったらどうなるのでしょうか?
参考サイト:首都直下地震の被害想定 対策のポイント・中央防災会議
複合災害に潜む脅威!堤防の過信は禁物
中央防災会議は、都心南部で直下地震が起きた場合について、建物の倒壊や火災延焼によって甚大な被害を受けるとしている一方、東京湾内の津波は小さい(1m以下)という被害想定を出しています。
しかしこれは、津波対策が不要ということでは決してありません。津波対策に関しても、最悪の事態を想定して備えるべきでしょう。
激震による防潮堤や水門の損壊、台風や豪雨などが複合的に発生すれば、小さな津波であっても甚大な被害につながる可能性があります。
特に東京東部の海抜ゼロメートル地帯は、深刻に考えなければなりません。
荒川や江戸川などは、東京湾に津波が発生した場合、津波が河川を遡ってくる恐れがあります。川には障害物がないため、そのスピードは陸地以上です。それに耐えきれず、堤防が損壊した場合には、壊滅的な浸水被害を受けます。
直下型地震は震源が浅いため、震源に近い場所への緊急地震速報が間に合わない可能性がある点にも注意が必要です。海岸や河川付近で大きな揺れを感じたら、すぐさま高台に逃げる覚悟をもつことが大切です。
参考サイト:わが国におけるゼロメートル地帯の 高潮対策の現状 – 国土交通省
津波に耐えうる備蓄。超耐水性トイレの勧め
備蓄する際は、備蓄品そのものが被災によって使えなくなる可能性もあることを念頭においてください。絶対に欠かすことのできないアイテムは、多めに用意するか、耐久性・耐水性のあるものを選ぶとよいでしょう。
特に、トイレの備蓄は重要です。東日本大震災では、劣悪なトイレ環境が非常に大きな問題となりました。被災地に仮設トイレが届くまで少なくとも3日、最長で65日を要した避難所もあります。
被災直後は避難者数に対してトイレの数が圧倒的に少なく、バキューム車も足りません。数日間でトイレスペースが排泄物の山になるなど、到底使えないような有様でした。
この不衛生なトイレ環境によって感染症が広がったり、トイレに行きたくないがために水分を控えて体調不良を起こすなど、多くの健康被害をもたらしたのです。
トイレ環境を衛生的に保てるかどうかで避難時の生活レベルが決まるといっても過言ではないでしょう。たとえ水没しても使用することのできる超耐水性トイレがあれば、安心です。
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参考サイト: 避難所における トイレの確保・管理ガイドライン – 内閣府防災担当
首都直下ではなく、相模トラフ沿いで海溝型巨大地震(M8)が起きた場合は、東京湾内の津波は2m、神奈川県や千葉県にいたっては6~8mになるとして、一気に津波の危険性が高まります。
地震の発生確立や種類にとらわれず、自然の脅威を理解し、謙虚に備えることが大切です。