令和6年能登半島地震で被災された方へ、心よりお見舞い申し上げます。
多くの方が帰省をすることも多い、元日に甚大な震災が発生しました。令和6年能登半島地震では実際に規制中に被災された方もたくさんいらっしゃいます。今回は帰省の機会に考えておきたい実家の防災対策についてと、帰省時に被災した場合の対応方法を解説します。
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帰省時にやっておきたい実家の防災対策
帰省は普段離れている家族と再会できるチャンスです。特に実家のご両親が高齢になってきて、災害時の対策ができているかどうか心配になる方も多いのではないでしょうか。帰省時は実家の防災対策を見直すチャンスです。帰省時にやっておきたい実家の防災対策を解説します。
実家の防災対策を確認しておく
自分の家の災害対策は進めていても、実家までは手が回らないという方がほとんどです。また、実家の家族は災害時に「何とかなる」と思っていてなかなか災害対策をしてくれない、といった方もいるかもしれません。
帰省時は、実家の防災対策を見直しておくチャンスです。特に、実家の両親が高齢化している影響で体力面などから地震対策の家具の固定や移動といった対応ができない、というご家庭もあると思います。帰省時にご両親と一緒にふだんできない防災対策を進めておくと安心です。
帰省時、実家で確認しておきたい防災対策を以下にまとめました。
対策する災害 | チェックポイント |
地震 | ・実家が1981年より前に建てられた建築物の場合、耐震診断を受けておく(旧耐震基準の家のため)
・建物のどこが揺れに弱いのかを確認しておく ・家具が倒れたり飛ばないように固定しておく ・寝室などの家具を移動しておく ・高いところの物を排除しておく |
台風・浸水 | ・実家周辺の側溝や雨どい、雨水かすのゴミや落ち葉を排除しておく
・屋外の地区天地や給湯器の浸水対策をしておく ・土嚢を用意しておく ・土嚢の準備の仕方をメモにして目立つところに貼っておく ・窓ガラスの飛散防止措置(テープなど)を行う ・雨戸がなければ設置する ・実家周辺に飛散しやすいものを置かない ・屋外の不要なものは処分またはしまう ・実家のリフォームが必要な場合(瓦屋根、防水外壁の設置など)は親類と話し合う |
土砂災害 | ・土砂災害警戒情報の見方を確認しておく
・自宅で垂直避難をするときに避難する部屋を決めておく |
火災 | ・火災報知器が取り付けられているか確認する |
以下の記事では地震対策について詳しく解説しています。
家庭でやっておくべき地震対策と必要な地震対策グッズを防災士が解説!
実家の防災備蓄や持ち出し袋を確認しておく
災害発生や非常時、実家が危険な場所となった場合は非常用持ち出し袋を持って避難所へ移動します。また、避難をしなくても電気やガス、水道といったライフラインが止まる可能性も高いです。実家の持ち出し避難、在宅避難両方の備蓄を確認しておきましょう。
持ち出し品、在宅避難別に備蓄すべき防災グッズや備蓄量はこちらの記事で詳しく解説しています。
防災グッズに絶対必要なものを自宅避難・持ち出し避難に分けて解説
また、持ち出し袋や備蓄の中には、高齢者だからこそ必要となる以下のようなアイテムもそろえておきましょう。
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- メガネ(老眼鏡)
- 杖
- お薬手帳
- 大人用紙おむつ、尿漏れパッド
- 補聴器
- ふだん飲んでいる薬
など
安否確認の方法を確認しておく
普段離れている家族のどちらかが被災した場合、早く安否確認がしたくてもなかなか連絡が付かないことがあります。帰省時に、どちらかが被災した場合の安否確認方法や連絡手段を話し合っておきましょう。
たとえば災害直後で電話がつながりにくくなった場合、被災地ではなく親類などを中継地点として連絡を取り合う三角連絡法も有効です。災害用伝言ダイヤル171の使い方を一緒に確認しておくのも忘れずに行っておきましょう。
実家が二世帯住宅など複数の家族がいる場合は、実家の家族同士が離れているときに災害に会った場合の対応方法を話し合っておくのもおすすめです。令和6年能登半島地震でも、災害時の集合場所を決めておいたおかげで家族と合流できたという体験談があります。
事例詳細はこちら
アプリの活用を検討する
実家の両親がスマートフォンユーザーなら、防災のためのアプリをインストールするのもおすすめです。気象情報や緊急情報が受信できるアプリなら、台風や豪雨災害時の迅速な避難や必要な対策にもつながります。LINEなどのコミュニケーションアプリを入れておけば、災害発生後から遠く離れた家族と連絡を取るのにも活用できます。
帰省をしたタイミングで災害対策のためのアプリをインストールし、使い方を確認しておくと良いでしょう。
避難所や危険な場所、ハザードマップを確認しておく
帰省時、避難所や実家周辺の災害時危険となる場所をハザードマップを見ながら実際に歩いて確認しておきましょう。年末年始の買い物や初詣、外食などに家族全員で出かけるついでに確認しておくことで、実家の両親も自分の目と足で避難所や危険な場所を確認しておけます。
近所の人に声をかけておく
災害発生時、国や自治体などの「公助」を待つだけではなく、自分自身でもできるかぎりのことをすることで自分や家族の命を守れる可能性が高くなります。自分で自分の命を守る「自助」のほか、周囲の人と助け合う「共助」も、災害時大きな力となります。
ふだん離れている家族が被災したときに、共助の対象となるのはご近所や周囲の方たちです。帰省時には近所の人にも声を掛けておく、何かあったときのために連絡先を交換しておく、といったこともしておくと安心です。
帰省時に被災した場合の対策方法
令和6年能登半島地震では、帰省中の実家で被災した、という方も多くいました。万が一帰省中に被災してしまったときには、自宅にいるとき被災したときと同じように、必要に応じて避難所へ行ったり、在宅避難をしたりします。特にふだん住んでいない場所の避難所に行く場合には、慣れない土地での避難生活に疲れやストレスがさらに溜まりやすくなります。帰省時に被災したときにも自分や家族の命を守るために、実家の防災対策はしっかり行っておきましょう。
なお、帰省中に被災し自宅に帰れる手段があれば、できるだけ速やかに自宅に戻るのがおすすめです。令和6年能登半島地震でも、地元の人だけでなく帰省中の人や観光客が避難所に殺到した影響で、避難所がパンク状態となっていたという報告がありました。避難所がパンク状態になると、コロナウィルスやインフルエンザといった感染症が蔓延しやすくなったり、必要な物資が行き渡らなくなったりといった問題が発生しやすくなります。
本来避難が必要な人に避難所のスペースや物資を譲るうえでも、自宅へ戻れるなら速やかに自宅に戻るのが重要です。被害が甚大で実家の家族の生活が困難な場合、一緒に自宅へ戻ることも検討しましょう。
帰省時に実家の防災対策を行っておこう
帰省時にチェックしたい実家の防災対策と、帰省時に被災したときの対応方法を解説しました。災害はいつどこで起きるか分かりません。ふだん離れている家族が被災する可能性も考え、帰省時は実家の防災対策をしっかり行っておきましょう。