災害時の寒さ対策とは?防寒対策の方法と用意すべき防災グッズを解説

防寒対策

甚大な災害が発生すると、電気やガス、水道といったライフラインが停止する可能性が高くなります。寒冷地や真冬に被災し、電気やガスが使えなくなった場合は寒さ対策が必要です。今回の記事では、災害時の寒さ対策の方法や用意しておくべき防災グッズを紹介します。

寒さによって発生する可能性のある健康被害

災害によってライフラインが停止し、暖が取れなくなると以下のような健康被害が発生する可能性があります。

  • 体力の消耗
  • 低体温症
  • 感染症への罹患(インフルエンザ、コロナウィルスなど)
  • エコノミー症候群

まず寒さは人の体力を消耗させます。災害時は食事や睡眠が十分に取れないこともあり、体力を消耗させることは命の危険につながる可能性もあります。

寒さによって体温が下がると、低体温症となるリスクが高まります。低体温症は重症化すると命の危険にさらされることもあり、特に高齢者の方や乳幼児には注意が必要です。令和6年能登半島地震でも、81歳の女性が避難所で低体温症となり、搬送先の病院で死亡した震災関連死の事例もあります。
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寒さによって体力が消耗されると、身体の免疫力も低下します。その結果インフルエンザやコロナウィルスなどの感染症や、エコノミー症候群への罹患リスクが高くなります。災害発生時は十分な医療が提供されないことも多く、感染症やエコノミー症候群に罹患後、十分な治療が受けられず重症化する危険性も高いです。

災害時に寒さによる健康被害が発生し、重症化すると災害関連死と直結するリスクもあります。真冬や寒冷地での被災を想定し、防災対策として防寒に関する対策やグッズも用意しておきましょう。

在宅避難の防寒対策として用意しておくべきアイテム

電気やガスが使えないときでも家で暖を取れるアイテムとして、用意しておきたいグッズを紹介します。

石油ストーブ

灯油を燃料にする石油ストーブは灯油が燃料のため、電気もガスも不要で使用できます。天板の上でお湯を沸かしたり、食べ物を暖めたりすることも可能です。灯油も一緒に備蓄しておく必要がありますが、灯油は1年程度で劣化する可能性があります。冬の暖房器具として普段使いをしながら灯油をローリングストックする方法や、長期保存できる缶入り灯油を備蓄する方法がおすすめです。

カセット式ガスストーブ

家庭用カセットボンベを燃料にするガスストーブです。以下のような種類がありまs。
・持ち運びもできるコンパクトなタイプ
・6畳程度の部屋も暖められる大型タイプ
・送風できるファンヒータータイプ

カセットコンロ

カセットガスを熱源とするカセットコンロがあれば、電気やガスが止まってもお湯を沸かしたり調理をしたりできます。温かい食事や飲み物を取ることで体の内側から温まるだけでなく、災害時でも安心感を得られます。

災害後の在宅避難は最低3日間、できれば1週間分の水や食料などの備蓄が推奨されています。水や食料とともに、カセットコンロやカセットボンベも一緒に備蓄しておきましょう。

以下の記事では個人向け防災用品について詳しく紹介しております。
個人向け防災用品・防災グッズを災害別に防災士が解説します

湯たんぽ

中にお湯を入れるタイプの湯たんぽなら、お湯を沸かせれば暖を取ることができます。布にくるんで布団に入れれば、保温力もアップ。就寝時に暖を取る方法としてもおすすめです。

非常用持ち出し袋の中に入れておきたい防寒対策グッズ

自宅での生活が困難、または災害により自宅が危険な場合は避難所へ移動して避難生活を送ります。避難所では火災予防などの観点から、火器の使用が禁止されていることがあります。
非常用持ち出し袋の中には、火器がなくても使用できる防寒対策グッズを用意しておきましょう。

自宅避難で準備しておくべき防災グッズについては、以下の記事で詳しく解説しています。
防災グッズに絶対必要なものを自宅避難・持ち出し避難に分けて解説

カイロ

火を使わずに暖を取れるカイロは、防寒対策の防災グッズとしても活用できます。首の後ろや太ももの付け根など、太い血管が通っている箇所を暖めることで、体全体を保温できます。使い捨てタイプと繰り返し使用できる白金触媒式カイロがあります。

エマージェンシーシート

エマージェンシーシートとは、ポリエステルなどのフィルムにアルミを蒸着させたシートです。レスキューシートとも呼ばれています。撥水性のある素材を使うことで防水、暴風性を高めているのに加えて、体から発する熱を反射させることで防寒性も発揮します。

コンパクトに折りたためて軽くて持ち運びがしやすいため、非常用持ち出し袋の中に入れてもかさばりません。家族全員分を用意しておきましょう。

ただし、長時間使用すると結露が発生することがあります。長時間の使用を避ける、またはシートと衣服の間にブランケットを挟むなどして使用するのがおすすめです。

水で発熱する食品加熱パック

食品加熱パック
少量の水を入れると発熱材が反応し、蒸気によって食品を温められる防災グッズです。加熱パックの中に入る大きさ、かつ調理済みで湯煎調理が可能な以下のものを温められます。
・缶詰
・缶飲料
・レトルト食品
・パックご飯
・120℃以上の耐熱袋に入れた加熱済みの食品

新聞紙

新聞紙は保温効果を高めるアイテムとしても活用できます。新聞紙を二つ折りにし、お腹の周りにラップで巻き付けたり、丸めた新聞紙をゴミ袋の中に入れて簡易的なブランケットとして使用したりする方法があります。

一工夫でできる防寒対策

在宅避難中や避難所での避難中、一工夫でできる暖の取り方を紹介します。

冬用衣類や寝具を隙間なく着こむ

冬用のインナーのほか、コートやセーター、マフラーや手袋があればとにかく着こみましょう。衣類にすき間ができないように、袖は手袋の中に、服はズボンの中に入れることで熱を閉じ込め保温効果がアップします。

まだ寒い時には毛布や布団などの冬用の寝具を体に巻きつければ、防寒対策になります。

床にマット、畳、ダンボールを敷く

そのまま座ると冷たい床も、マットや畳、ダンボールを敷くと保温効果があります。

すき間風をふさぐ

ドアや窓のすき間などから入ってくるすき間風は、室温が下がる原因となります。ガムテープや新聞紙を使ってすき間風を防ぎましょう。

寒さ対策とともにやっておくべき対策も忘れずに

災害時の防寒対策として用意しておくべき防災グッズや、防寒対策の方法を解説しました。被災時の寒さは体力を奪い、感染症や低体温症などの原因にもなります。しっかり防寒対策をして災害に備えましょう。

また、寒さ対策とともにしておきたいのが「乾燥対策」「火災対策」「トイレ対策」です。冬場は空気も乾燥するため肌や唇が乾燥したり、感染症にかかりやすくなったりします。保湿対策グッズも忘れずに入れておきましょう。空気が乾燥すると、火災が発生しやすくなります。被災時に火器を使用するときには、火災に十分気を付けましょう。

最後に、トイレ対策もしっかり行っておきましょう。気温が低くなるとトイレが近くなります。水道が使えないときや、避難所でも使える非常用トイレも備蓄しておくことでより安心です。マイレットでも、在宅避難から持ち運んで使用できる非常用トイレまで幅広いラインナップをご用意しております。

非常用トイレ商品一覧はこちら

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