日本は地震をはじめ、さまざまな災害が発生する国土です。特に近年は自然災害が甚大化する傾向にあり、災害への備えを考えるようになった方も多くなりました。とはいえ、一般家庭でこれから防災用品や防災グッズをそろえようと思っても「何をどれだけ用意すればいいか分からない」といった方も多いかもしれません。そこで今回は、災害に向けて準備すべき個人向け防災用品・防災グッズを災害別に解説します。自宅の備蓄や災害対策をこれからはじめたい方も、ぜひ参考にしてください。
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避難の方法によって防災用品・防災グッズを用意しよう
前提として、発生した災害の種類によって必要となる災害対策や備蓄する防災用品・防災グッズは異なります。災害によって想定される被害の内容や、災害後に必要となる物資が異なってくるためです。とはいえ、いきなり災害ごとに防災用品・防災グッズをそれぞれ準備し、備蓄する、というのは難しいと感じる方も多いでしょう。
自然災害の場合、発生前後で避難所へ避難するか、自宅避難をするかの分かれ道となる場合が多いです。たとえば地震や豪雪によって家屋が倒壊または倒壊しそうな場合、台風や豪雨によって自宅付近に土砂災害が発生しそうな場合など、自宅にいることで命に危険が及ぶ可能性がある場合は、避難所へ避難します。避難所へ行かなくても自宅で安全確保できる場合、災害によって電気やガス、水道などのライフラインが復旧するまでの間に避難生活を送ることになります。
そこで、個人向けに防災用品・防災グッズを用意する場合避難所へ避難をする「持ち出し避難」用と、自宅にとどまって避難生活を送る「在宅避難用」の2通りの備蓄をするのがおすすめです。
持ち出し避難用は、自宅から避難所へたどり着くまでに命を守れるもの、在宅避難用は災害発生後からライフラインや物流が復旧するまでの間命を守れるものを用意します。具体的には持ち出し避難用は水や携帯食料、灯り、雨具などです。在宅避難用は最低3日間(できれば1週間)の水や食料、情報収集用のラジオ、灯り、災害用トイレなどです。
個人向けの持ち出し避難、在宅避難両方で用意すべき防災用品・防災グッズの種類や量については、以下の記事でくわしく解説しています。
防災グッズに絶対必要なものを自宅避難・持ち出し避難に分けて解説
個人向けの災害対策や備蓄すべき防災用品・防災グッズを災害別に解説
日本では地震をはじめ台風や豪雨、豪雪、洪水とさまざまな種類の災害が発生します。また、自然災害だけでなく火災をはいめとした人的災害への備えも重要です。「これから何の災害対策をはじめるべきか分からない」とお悩みの方のために、個人向けの災害対策や備蓄すべき防災用品・防災グッズを災害別に解説します。これからの家庭での備えにぜひ役立ててください。
個人向け地震対策&おすすめ防災グッズ
地震対策として、以下の対応を常日頃から行っておきましょう。
- 家具類の転倒や落下、移動防止対策
- 地震による怪我防止対策
- 家屋や塀の強度の確認
- 地震発生時の確実な行動への備え
- 防災用品の備蓄
地震による直接的な被害や怪我防止のほか、家屋や地域の危険な場所の確認、家族と地震発生時の集合場所などの話し合いなどを行っておきましょう。 地震対策の防災グッズとして備蓄しておくべきものが、前述の持ち出し避難および在宅避難のためのものです。さらに家具の固定や窓ガラスの飛散防止のためにL自金具や突っ張り棒、ガラス飛散防止フィルムなどを活用し、地震への対策を行っておきましょう。 個人向けの具体的な地震対策やおすすめ防災グッズについては、以下の記事でくわしく解説しています。 家庭でやっておくべき地震対策と必要な地震対策グッズを防災士が解説!
個人向け台風対策&おすすめ防災グッズ
台風は突発的に発生する地震と比較すると、ある程度発生する日時や場所、被害の程度を予測できるのが特徴です。自宅へ台風の接近が見込まれる場合でも、準備をする時間は少しあります。また、常日頃からできる限りの備えをしておくことで、台風が通過、上陸する恐れがある場合も慌てずに行動できます。 個人や家庭で行うべき台風対策を、時系列で以下にまとめました。
時系列 |
やるべき対策 |
台風接近前 |
持ち出し避難と在宅避難の備蓄 |
台風の接近や上陸が予測される前 |
台風の最新情報の入手 |
台風接近中 |
不要な外出を避ける |
台風対策のためにそろえておきたい防災グッズは、地震対策と同じく持ち出し避難のための 備蓄と、在宅避難のための備蓄です。さらに窓ガラスの飛散防止シートや雨漏りが発生した場合のブルーシート、土のうなどの台風対策のグッズをそろえておきましょう。 個人向けの具体的な台風対策やおすすめ防災グッズについては、以下の記事でくわしく解説しています。 台風が来る前にやっておくべき家庭での台風対策や備えとは?用意すべき台風対策グッズを防災士が解説
個人向け火災対策&おすすめ防災グッズ
自然災害だけでなく、人為災害への対策を行うことでより強固な防災対策につながります。突発的に発生する代表的な人為災害が火災です。個人や一般家庭で行っておくべき火災対策を以下にまとめました。
- 火災の原因となる行動をひかえる
- 防火・消火設備を準備しておく
- 火災保険に加入しておく
- 防炎製品を準備する
- 隣近所と声をかける
- 避難方法や経路を確保しておく
個人や家庭で行うべき火災対策は、大きく分けて火災そのものを防ぐための対策と、火災が発生した場合の対策です。火災そのものを防ぐ対策としては、たとえば寝たばこはしない、ストーブの近くに燃えやすいものを置かない、子どもの手の届くところに火器を置かない、などが該当します。 火災そのものを出さないようにしても、事故や周辺の建物などからのもらい火などで火災が発生してしまうこともあります。火災が発生した場合に備えて防火や消火設備の備蓄や点検をしたり、火災から命を守るための避難方法や避難経路を確保したりといった対策を行っておきましょう。 火災対策として準備しておきたい防災グッズには、消火器、住宅用火災警報器や住宅用スプリンクラーなどの設備に加えて、防炎品や電気火災を防ぐための感電ブレーカーなどが該当します。 個人や家庭向けの火災対策の方法や準備すべき防災グッズについては、以下の記事でくわしく解説しています。 家庭の火災の原因や対策方法とは?準備しておくべき火災対策グッズを防災士が解説!
時間のあるときに防災グッズをそろえて災害に備えよう
災害別に個人向けの災害対策方法やおすすめの防災グッズを紹介しました。災害はいつやってくるか分かりません。時間に余裕のあるときに災害対策を行ったり、必要なものの備蓄をしておくことでいざというときに迅速かつ確実な行動につながります。今日から防災対策や備蓄をぜひはじめてみましょう。