2016年4月14日に起こった最大震度7にも及ぶ熊本地震。
今回は、避難所での衛生面対策について解説します。
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【熊本地震】避難場所でのノロウイルス感染拡大
熊本地震発生から9日後、熊本地震被災者の避難所になっている熊本県南阿蘇村立南阿蘇中学校で、避難者の男女25人が下痢や吐き気などの症状を訴え、一部の人からノロウイルスが検出されました。ノロウイルスは一年を通して発生はみられますが11月くらいから発生件数は増加しはじめ、12~翌年1月が発生のピークになる傾向があります。4月という時期に避難所でノロウイルスが流行したのはなぜなのでしょうか。
避難所では断水で水が出ないため、避難者らはトイレでくみ置きの水を使って手を洗ったりしていたようです。この水を介して感染が広がった可能性があるといわれています。
避難所のトイレの清掃が十分でなかったり、トイレと避難スペースを土足で行き来したりするケースもあるため、トイレが感染源になってノロウイルスが発生した可能性は大いにあります。
ノロウイルスは経口感染のため、簡単に感染してしまいます。
感染者の排泄物やおう吐物を手で触れることによって、いつの間にかウイルスを体内へと取り込み、感染してしまうのです。
ノロウイルス予防・対策方法
ノロウイルス感染が広がらないように予防・対策方法をご紹介いたします。
まずは十分な手洗いが必要です。
ノロウイルスは大腸菌やヘルペスウイルスなど他のウイルスに比べて小さいため、手のシワなどに深く入り込んでしまいます。消毒や除菌もしっかり行いましょう。
トイレの清掃や衛生管理を入念に行う。
ノロウイルスが拡散されやすいトイレでは便器はもちろんドアノブや手すりなどもしっかり除菌しましょう。断水で排泄物がそのままなんてことにならないように災害用のトイレ処理セットなども準備しておきましょう。
ノロウイルスが発生した後の対策
適切なおう吐物の処理が大切です。
処理を行う人は感染しないよう使い捨てのエプロンや手袋、マスクを着用しおう吐物を除去しましょう。おう吐物を除去した後は、しっかり消毒することが重要です。
塩素での除去・消毒が一般的ですが、塩素の取り扱いには注意が必要です。
塩素を洗剤(塩酸を含むもの)や食酢、クエン酸などと混ぜると有毒ガスを発生させる危険があります。現在では塩素を使わないおう吐物処理セットなども販売されており、安全にノロウイルスを除去することができます。
まとめ
避難所や公共施設などでは、感染症の発生確率も高くなってしまいます。
一人一人がトイレをキレイに清潔に使用することを心がけ、衛生面の不安を取り除いた避難生活を行うためには災害用トイレ処理セットなどの簡易トイレや、おう吐物を安全に処理する準備が必要です。
何かあってからでは遅いので、今から備えておきましょう!