私事ですがつい先日、停電がありました。台風や落雷ではないのですが、近隣も真っ暗で、送電に何らかのトラブルがあったようです。その時は夜で自宅のパソコンに向かいながら、急ぎの案件でお客様と電話していました。真っ暗になった部屋の中でノートパソコンとスマートフォンのみが光を放っているという状態に。仕事に大きな支障はありませんでしたが、10分ほどで復旧したものの、その後も数回、数分程度の停電が発生し、色々と考える機会となりました。
そんなきっかけから、今回は防災の観点から停電対策について考えてみます。
災害による停電というと、全く電気のない環境を想像しがちですが、大昔の生活に戻るという訳ではありません。備えや工夫で必要最小限の電気で少しでも安全・快適に過ごすことを目指します。
防災キャンプのように、いきなりコンセントや発電機がない状況で活動するのも面白いのですが、まずは身の回りからということで、家庭や職場、学校といった「場所を基準」に考えてみてはいかがでしょうか。
Contents
電気を使う機器や道具をリストアップ
家庭や職場、学校の中で電気を使う機器や道具を見つけます。小さい物はスマートフォンや懐中電灯から、大きい物になると冷蔵庫やエアコン、給湯器など様々な物が身の回りにあると思います。見落としがちな物として、照明器具(蛍光灯やLEDの天井照明等)や換気扇、水道のポンプなども電気を使っています。
機器や道具を給電方法で分類
バッテリーや乾電池で動くものと、それ以外のものを分類します。それ以外というのは、コンセントからの電気が必要な物、屋内配線で動作する物を指します。大きな電力が必要なため、乾電池や内蔵バッテリーでは動作しません。停電時の対応としては『使うことができない』想定をお勧めします。使うことができない機器については、乾電池や内蔵バッテリーで動作する機器を検討します。(大型家電など代替の難しい物もあります)
一例として、蛍光灯が使えないので電池式のランタンを使う、といった代用案があります。
技術が進んだため、建物に自家発電機や蓄電池がある、可搬型の発電機がある、といったケースもあるため、設備が備わっている場合は使用法を確認しておいてください。
災害時に必要な物、役立ちそうな物をピックアップ
バッテリーや乾電池で動くものの中から、災害時に必要な物、役立ちそうな物を選び、それぞれの危機や道具が何時間使えるか、電力の補充はどうするか(充電、電池交換等)を確認します。
一例として、スマートフォン、懐中電灯(ヘッドランプ)、小型ラジオ、ランタン、モバイルバッテリー、ノートパソコン、電池式カイロなどがあります。
また、便利なUSB充電の機器も、ケーブルが無かったり、コネクターが合わないと充電できません。ケーブル類も防災用品として備えておいて損はありません。
忘れがちな延長ケーブルのチェック
電気関係の備えで見落としがちなのが、延長ケーブル(延長タップ、電源タップとも言います)の備えです。過剰なタコ足配線は危険ですが、同時に複数の機器を使いたい・充電したいといったケースがどうしても発生します。予備の延長ケーブルが防災用品としても役立ちます。
機器類や道具の動作確認
電気を使う機器や道具は年に数回(できれば季節に1回)動作確認を行ってください。
これは機器の動作確認(故障していないか)だけでなく、バッテリーや電池の劣化や不具合を確認したり、使い方の確認にもなります。個人的にお勧めしたいのが説明書の(最低限のページの)コピーを同梱しておく事です。普段使わない機器でも説明書があれば、使い方が分からず困ることはありません。
発電機や蓄電池の動作確認
上記の発電機や蓄電池といった設備が備わっている場合は、年に1~2回は動作確認もおこなってください。(業者等による定期点検を行っている場合は、立ち合いや見学をお勧めします)
今回は停電をきっかけに、停電時の対策をご紹介しました。範囲が広いこともあり、答えを1つに絞ることが難しいのですが、上記のようなチェックを行うことで、その場所に合った対策を創意工夫することができます。防災の基本となりますが『災害が起きてからでは遅い』ことを強調したいと思います。電気についても「事前の備え」のある・なしが大きく影響しますので、9月1日の防災の日を前にぜひ身の回りをチェックしてください。